父が「退職金から“200万円”だけビットコインを買いたい」と言い出しました。母は「そんな危ないものはやめて」と猛反対していますが、父は「銀行に置いても増えないだろ」と譲りません。老後資金の一部を“ハイリスク資産”に回しても大丈夫なのでしょうか?

父が「退職金から“200万円”だけビットコインを買いたい」と言い出しました。母は「そんな危ないものはやめて」と猛反対していますが、父は「銀行に置いても増えないだろ」と譲りません。老後資金の一部を“ハイリスク資産”に回しても大丈夫なのでしょうか?

2月18日(水) 0:10

ビットコインは代表的な暗号資産(仮想通貨)で、その利用者数は年々増加傾向にあります(※1)。しかし、その性質からハイリスク資産といえます。 今回は、老後資金の基本的な考え方を整理したうえで、ビットコインなどのハイリスク資産に投資する際の注意点と、老後資金の運用方法について解説します。

老後資金は3分類で考えよう

老後の資金は、「生活に必要な資金」「使途が決まっている資金」「残す資金」の3つに分類して管理することをお勧めします。
 

1. 生活に必要な資金

生活費や、病気やけがなどの医療費といった、日常の生活やいざというときに必要となる資金は、いつでも使えるように管理しなければなりません。したがって、普通預金など、元本が保証され、いつでも現金化できる金融商品で管理する必要があります。
 

2. 使途が決まっている資金

旅行などの趣味に使う資金や、自宅のリフォーム代など、使途が決まっている資金は、使う時期まで資金が減らないように管理することが求められます。したがって、定期預金や個人向け国債など、元本が保証されている金融商品で管理することが望まれます。
 

3. 残す資金

子どもや孫に相続させるなどの目的で残しておく資金で、長期的に運用することや、増やすことも考えてよい資金になります。したがって、「残す資金」に分類される資金は、投資信託や株式などの金融商品で、積極的に運用してもよい資金となります。
 

ビットコインとは

ビットコインに代表される「暗号資産(仮想通貨)」は、インターネット上でやり取りされる、通貨のような性質を持った電子データです。円やドルのように、政府が保証する法定通貨ではありません(※2)。
 
暗号資産(仮想通貨)の取引においては、以下の点に注意する必要があります。


(1)その価値は需給関係により決まる傾向が強く、価格が大きく変動することが多い。
(2)金融機関のような利用者を保護する仕組みが整っていないため、暗号資産取引所がハッキング被害を受けるなどして価格が大きく下落した場合や、交換業者が破綻した場合でも、利用者が補償保証を受けられないことがある。
(3)暗号資産の価格が、短期間のうちに大きく下落してしまうことがある。

 

ハイリスク資産とは

一般的に「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」といわれます。「リターン」とは、資産を運用した結果として得られる利益(または損失)をいい、「リスク」とは、リターンを得られる不確実性をいいます(※3)。
 
これは、「リスクが小さいとリターンも小さく」「リターンを大きくしようとするとリスクも大きくなる」という関係を表しています。前述した通り、暗号資産(仮想通貨)はハイリスクの資産ということができます。
 
投資信託でも、組み込まれた金融商品の種類によってリスクは異なります。例えば、先進国の株式のみで構成された投資信託は、ハイリスク商品といえるでしょう。
 
一方で、公社債を中心とした投資信託は、ローリスク商品ということができます。
 

当面使う予定のない資金で資産運用

老後資金の資産運用は、3分類に区分した「残す資金」に限定して考えるとよいでしょう。また、「残す資金」であっても、若い世代とは異なり、やり直しがききません。そのため、リスクを高くとってハイリターンを追求することは適当ではないでしょう。
 
したがって、老後資金の運用は、「残す資金」をビットコインなどのハイリスク資産で運用するのではなく、ローリスクの投資信託などで運用することが望ましいでしょう。
 

まとめ

老後の資金は、「生活に必要な資金」「使途が決まっている資金」「残す資金」に区分して管理する必要があります。そして、資産運用を積極的に行ってよい資産は「残す資金」に限られ、運用方法も、ハイリターンを追求することなく、ローリスクの投資信託などで運用することが望ましいでしょう。
 
暗号資産(仮想通貨)の一つであるビットコインは、値動きが激しく、補償制度も整備されていないなど、ハイリスク資産といえます。老後資産の運用としては、ふさしいとはいえないでしょう。
 

出典

(※1)金融庁 暗号資産取引市場の現状について
(※2)内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 暗号資産の「必ずもうかる」に要注意!マッチングアプリやSNSをきっかけとしたトラブルが増加中
(※3)金融広報中央委員会 知るぽると リスクとリターンとは
 
執筆者 : 辻章嗣
ウィングFP相談室代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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