【写真】世界遺産でピアノを演奏するYOSHIKI
YOSHIKIが“完全復活”を宣言し、2026年4月3日(金)~5日(日)に「YOSHIKI CLASSICAL 2026 覚醒前夜 ー Tokyo 3 Nights 世界への第一章」を東京ガーデンシアターで開催する。昨年11月のサウジアラビアの世界遺産でのクラシック公演、米チャイニーズ・シアターへの刻印、そしてTIME誌選出……。世界で活躍を続けるYOSHIKIは、本公演を世界への第一歩と明かす。今回「完全復活」を掲げるYOSHIKIに、本公演への想いを語ってもらうと、幻の未発表曲「YOSHIKI 1000」リスト、そしてAI時代におけるアーティストとしての矜持まで話が広がった。
■サウジアラビアの地で確信した「新たな熱狂」
――まずは昨年11月、サウジアラビアで行われたコンサートについてお聞かせください。歴史的な公演となりましたが、YOSHIKIさんにとってどのような体験でしたか?
YOSHIKI: 僕は約30年前にロサンゼルスへ拠点を移し、そこから世界各国でコンサートを行ってきました。これまではアメリカ、ヨーロッパ、東南アジアが中心でしたが、サウジアラビアという地で本格的なコンサートを行うのは、僕にとっても非常に貴重な体験でした。世界遺産という特別な場所で演奏させていただきましたが、現地のシーンが活性化していく熱気、そして新たなマーケットが確かにそこに存在するという事実に、大きな刺激を受けましたね。
――欧米とは文化も法律も異なる地での開催は、準備も困難だったのではないでしょうか。
YOSHIKI: もちろん調整は必要でしたが、現地の皆さんは非常に協力的でした。僕はまず、その国の文化を学び、失礼のないように、そして心から楽しんでもらえるように心を砕きました。これまでも世界各国で様々な経験をしてきましたから、困難ということではありませんでした。
■「こじ開ける」時代は終わった。世界への扉は“開いている”
――2026年の公演タイトルは「覚醒前夜」。非常に力強い言葉ですが、YOSHIKIさんの言う「覚醒」とは、どのような状態を指しているのでしょうか?
YOSHIKI: この30年間、僕は「世界」という扉を開けるために必死で努力をしてきました。でも最近、ふと気づいたんです。「扉はもう、開いたな」と。K-POPの飛躍や、日本文化が世界に受け入れられていく時流も含め、自分が思う扉はすでに開かれていた。これまでは扉をこじ開けようとしていましたが、今は「開いた扉の向こう側へ、堂々と入っていけばいい」。そう認識が変わったことこそが、僕にとっての「覚醒」なんです。
――5年前、10年前とは、世界との向き合い方が決定的に変わったと。
YOSHIKI: そうですね。世界に対して「初めまして」と挨拶する段階は過ぎ、僕のことを知ってくれている人たちが待っている場所へ行く。そういうフェーズに入ったのだと思います。
――今回のコンサートは「世界への第一章」とも銘打たれています。どのようなステージを構想されていますか?
YOSHIKI: 近年は音楽だけでなく、ファッションや映画監督としての活動も行っています。だからこそ、ステージ全体がひとつの芸術に見えるような「Art」な空間を作りたいと考えています。そして、AIが台頭する今の時代だからこそ、「人が生きる意味とは何か」「人間が音楽を奏でる意味とは何か」……そんな根源的な問いを、皆さんに感じてもらえるようなコンサートになるはずです。
■千の未発表曲…「YOSHIKI 1000」リストの存在と、降り続けるメロディー
――今回の発表会では「完全復活」という言葉も印象的でした。度重なる首の手術など、満身創痍の中で戦ってこられたYOSHIKIさんが使う「完全」という言葉には、どのような想いが込められているのでしょう。
YOSHIKI: 精神的に、何かが吹っ切れたんです。これまでは手術のたびに不安定になることもありましたが、今はもう「ありのままで向かっていこう」と。肉体的に言えば、激しいドラミングの代償で頸椎はボロボロですし、4回目の手術の可能性だってゼロではありません。でも、精神はかつてないほど充実しています。もちろん、頭の中は大混乱していますが(笑)。
――混乱しながら充実している、というのはYOSHIKIさんらしい表現ですね。
YOSHIKI: 芸術家にとって、苦悩や混乱は創作の糧ですから。メロディーは常に降り続けていて、毎日のように作曲をしています。実は「YOSHIKI 1000」というリストがあるんです。
――1000、ですか? それは未発表曲ということでしょうか。
YOSHIKI: ええ、未発表曲です。似たような断片もありますが、アイデアのストックは山のようにあります。自分でも収拾がつかないほどですが(笑)、それをどう整理し、どの形態で世に出すべきか。スタジオ音源として出すのか、ライブバージョンで披露するのか。今はその「YOSHIKI 1000」と向き合いながら、来るべき時に向けて準備を進めている最中です。
――では、2026年のコンサートでその一部が聴ける可能性も?
YOSHIKI: 確実に、新曲はやります。楽しみにしていてください。
■AIには描けない「ドラマ」が心を動かす…ギリギリの淵で掴むYOSHIKI流の“美学”
――YOSHIKIさんの活動を見ていると、常に「美学」を追い求めているように感じます。なぜそこまで、感覚を研ぎ澄まし続けられるのでしょうか。
YOSHIKI: 常にギリギリの場所に身を置いているからかもしれません。美学の裏側には、必ず深い苦しみや悲しみがあります。母が亡くなった時の絶望……そういった淵に立たされた時、自分の中で美しい曲が生まれてくるんです。「自分は存在していいのか」と自問することもあります。でも、存在している以上は、その身を美学に捧げようと決めています。
AIは素晴らしい曲を作れるようになりました。でも、そこに「ドラマ」はありません。人間が苦悩し、葛藤し、生身で奏でる音にこそ、物語が宿る。それこそが、今の時代における最も貴重な芸術だと思うんです。僕は長い長い道を歩んできましたが、今振り返れば、その険しい道こそが「いい道」だったのだと思えています。
――なるほど「ドラマ」がYOSHIKIさんの心を動かすんですね。最後に、「YOSHIKI CLASSICAL 2026 覚醒前夜 ー Tokyo 3 Nights 世界への第一章」を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
YOSHIKI: YOSHIKI CLASSICALを始めて10年以上、世界中を回ってきました。ですが今回は、過去の延長線ではありません。これからの僕が挑む、次なる挑戦の「第一章」です。試行錯誤の真っ只中ですが、その新たな幕開けを、ぜひ皆さんに見届けてほしいと思います。
取材・文=加藤由盛(WEBザテレビジョン編集長)
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