2月16日(月) 21:00
シェアハウスの管理人は、建物をきれいに保ち、住人が安心して暮らせるよう、日常の困りごとを整える役割です。
一般的に多いのは、「入居時の案内や鍵の受け渡し」「退去時の確認」「共用部の清掃や備品の補充や簡単な点検」「ルールの説明と注意喚起」などです。住人同士のトラブルが起きたときは、まず状況を聞き取り、必要なら運営会社やオーナーに引き継ぎます。
夫婦で住み込みの場合は、業務を分担できるのが強みです。例えば、「日中の巡回と清掃は体力に余裕のあるほう」「入退去の説明や連絡は丁寧な対応が得意なほう」というように、役割を決めると回りやすくなります。
一方、2人とも全部を完璧にやろうとすると疲れがたまりやすいので、最初に「どこまでが自分たちの仕事か」を線引きすることが大切です。
住み込み管理人では、夜間対応が負担になりやすいので注意が必要です。ポイントは、「夜に何かあったら連絡が来る」だけでなく、その待機時間が“実質的に自由に使えるか”です。厚生労働省でも、「休憩は労働から離れることが保障されている必要があり、待機時間などの“手待時間”は休憩に含まれない」と示されています。
働き始めてから困らないために、次のような点を確認しておくことが大切です。
例えば、「夜間の一次対応はどこまでか(騒音注意・鍵紛失対応・救急要請まで)」「何分以内に出る必要があるか」「月に何回くらいか」「代休や手当はあるか」「運営会社の緊急窓口はあるか」です。ここが曖昧だと、家賃が無料でも“常に気が休まらない生活”になりがちです。
もう一つ見落としやすいのが税金です。住み込みで住居(社宅や寮に類するもの)を無償または安く貸与される形だと、条件によっては家賃相当額が給与として課税される考え方があります(例外もあり)。
実務では運営会社側が処理していることも多いですが、「家賃無料=手取りが増える」と決めつけず、給与明細や源泉徴収票でどう扱われるかを事前に確認すると安心です。
シェアハウスの管理人に向いているのは、「人と適度に関わるのが苦にならない」「困りごとを聞いて落ち着いて対応できる」「生活音や共有ルールを守る文化を受け入れられる」夫婦です。
シェアハウスは住人の年齢も生活リズムもさまざまなので、管理人が“正しさで押す”より、“落としどころを作る”役になれると強いです。住居と仕事が一体なので、通勤ストレスがなく、生活コストが読みやすい点は老後に大きなメリットになります。
一方、向かないのは、「プライベート空間が狭いと強いストレスになる」「夜中に起こされるのが体調に直結する」「夫婦のどちらか一方に負担が偏りやすい」ケースです。特に夜間対応が多い物件の場合は、睡眠が崩れて体調を崩しやすくなります。
そうならないために、応募前に負担を具体的に想像してみるのがおすすめです。例えば、夜間対応が月5回で、1回あたり30分~1時間かかる想定なら、月に数回は睡眠や休憩が中断される可能性があります。生活リズムへの影響がどれくらい許容できるかを、夫婦で具体的に話し合っておくことで、ミスマッチを減らせるでしょう。
夫婦でのシェアハウス管理人は、入退去対応や清掃・巡回などを分担できれば、老後の「住まいの不安」と「ほどよい社会参加」を同時に満たしやすい仕事です。
一方で、適性を分けるのは、夜間対応と呼び出し対応のルールです。待機の自由度や緊急時の連絡体制、手当や代休、そして住居提供の税務上の扱いまで、契約前に具体的に確認しましょう。
条件が整理され、無理のない運用ができる物件に出会えれば、家計にも気持ちにもゆとりを作りやすい“住まい兼仕事”として、十分に現実的な選択肢になるでしょう。
厚生労働省 労働基準情報:FAQ(よくある質問)-労働基準法に関するQ&A 労働時間・休憩・休日関係
国税庁 No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
70歳から「マンションの管理人」として働く場合、年収はどのくらいになる?