2月16日(月) 21:00
公的年金には、日本に住所を有する20歳以上60歳未満の人が加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金保険があります。厚生年金保険は給与明細を見るとわかるように、給与から社会保険料として天引き(控除)されるので、未納ということはありません。未納となるのは国民年金に加入中の人です。
未納となるよくあるケースは次のとおりです。
■ケース1 : 20歳になったとき学生であったため国民年金保険料を払うことなく卒業し、就職してしまった
■ケース2 : 会社を辞めて次の会社に転職の際、加入の期間の間が空いていたにもかかわらず国民年金加入の手続きするのを忘れてしまった、もしくは加入の手続きをしたものの保険料を払うのを忘れてしまった
ケース1・2の期間があるかもしれないと心当たりのある人は、国民年金保険料を納付したかどうか確認する必要があります。
2025年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額(480月)は、83万1700円/年です。20歳から60歳までの40年間、未納がなければ原則65歳からの年金は満額で受け取ることができます。
今回のご相談者さまは、2ヶ月の未納期間があるとのことでした。未納まま65歳で受け取る年金はいくらになるのでしょうか?計算してみましょう。
国民年金部分(老齢基礎年金)の年額は、83万1700円×478月÷480月=82万8235円です(円未満四捨五入)。ご相談者様は2ヶ月未納があると、満額の年金から3465円減額します。
なお、公的年金は終身で受け取ることができます。上記により1年で3465円の減額です。ご相談者様が65歳から老齢基礎年金を受け取り、仮に90歳で亡くなるとした場合、年金を受け取る期間は25年間です。
未納期間2ヶ月分の年金は3465円×25年=8万6625円となるため、ご相談者様が生涯受け取る年金額として考えると、8万6625円分受取れないことになります。
未納期間があるかどうかは、毎年、誕生日月に日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」で確認しましょう。
ハガキで送られてくる「ねんきん定期便」の加入記録は、いままでの加入期間が記載されています。実際に未納期間があるかわからないという人は、節目の年、35歳、45歳、59歳のねんきん定期便で確認しましょう。
節目の年は封書で送られてきます。封書のねんきん定期便には、いままでの加入記録が記載されています。未納と記載されている、もしくは空白期間がないか確認してみましょう。
年金記録はねんきん定期便だけでなく、インターネットで年金記録の確認などができる「ねんきんネット」でもチェックできます(過去の全加入記録が閲覧可能です)。
未納月がすでに納付期限から2年間を経過すると納付ができません。2年以上経過している未納期間がある場合は、60歳以降で国民年金の任意加入することにより未納期間の穴埋めができます(任意加入は、原則、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人です)。
また、60歳以降に厚生年金保険に加入する働き方をすることで、国民年金部分では反映されませんが、厚生年金保険の「経過的加算(差額加算)」で補うことができます。つまり老齢基礎年金相当額(定額部分)が厚生年金保険部分に加算されます。
ご相談者様は、もうすぐ60歳で定年を迎えます。定年後、会社員として働かないのであれば、国民年金に任意加入し、2ヶ月間保険料を納付すると満額(480月)になります。もしくは定年後、再雇用などで社会保険に加入する働き方をするのであれば、前段の厚生年金保険(経過的加算)部分で2ヶ月分がカバーできます。
ご相談者さまのように、60歳の定年後をどのように過ごされるかによって、未納により減額した年金を穴埋めできます。2ヶ月という期間は短いですが、終身となると金額は大きく変わります。まずは、自分の年金加入期間がどうなっているのか確認してみましょう。
日本年金機構任意加入制度
日本年金機構経過的加算
厚生労働省令和7年度の年金額改定についてお知らせします
執筆者 : 三藤桂子
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士
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