68歳、年金収入は年に300万円。専業主婦の妻と二人暮らしですが、年金生活者でも使える「税額控除」って何かありますか?

68歳、年金収入は年に300万円。専業主婦の妻と二人暮らしですが、年金生活者でも使える「税額控除」って何かありますか?

2月17日(火) 4:30

定年後、年金をおもな収入源として生活している人にとって、年金にかかる税金は気になるテーマではないでしょうか。年金にかかる税金を少しでも減らすことができれば、実際に受け取れる年金額が増えるため、各種控除について知っておきたい人もいるかもしれません。 本記事では、年金にかかる税金について解説するとともに、年金生活者でも使える「所得控除」「税額控除」の種類もご紹介します。

年金にかかる税金

老齢年金は「雑所得」という扱いになるため、課税対象です。受け取っている年金額が一定以上の場合、所得税と住民税がかかります。まず、所得税がかかるようになる収入の基準は、2025年12月以降、次のようになりました。


・65歳未満:155万円以上
・65歳以上:205万円以上

今回の事例は「68歳、年金収入が300万円」ということなので、課税対象になるでしょう。年金から引かれる所得税の額は、以下の計算式で算出します。
 
(年金額-社会保険料控除、各種控除)×5.105%
 
一方、住民税は前年の所得に対して課されるものです。前年の年金額から各種控除を差し引いた額に、税率10%を掛けて算出できます。
 

年金生活者でも使える「所得控除」にはどのようなものがある?

所得控除は、税率を掛ける前の所得金額から差し引く制度で、課税対象となる所得そのものを減らす仕組みです。年金受給者が使える所得控除には、受給者全員が対象となる基礎控除のほか、表1のようなものがあります。
 
表1

控除の種類 対象者 1ヶ月あたりの控除額
配偶者控除 対象となる配偶者がいる人 配偶者が70歳未満:3万2500円
配偶者が70歳以上:4万円
扶養控除 16歳以上の扶養親族がいる人
(19歳以上23歳未満および、
70歳以上は除く)
3万2500円×人数
特定扶養親族控除 19歳以上23歳未満の
控除対象扶養親族がいる人
5万2500円×人数
老人扶養親族控除 70歳以上の
控除対象扶養親族がいる人
4万円×人数
普通障害者控除 本人、控除対象配偶者、
扶養親族のいずれかが
障害状態にある人
2万2500円×人数
特別障害者控除 本人、控除対象配偶者、
扶養親族のいずれかが
重度の障害状態にある人
3万5000円×人数
同居特別障害者控除 重度の精神障害状態にある控除対象
配偶者、扶養親族と同居している人
6万2500円×人数

出典:公益財団法人 生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」を基に筆者作成
 
表中の金額は年金の源泉徴収税額を計算する際の控除額であり、最終的な税額は年末の精算や確定申告等で確定します。
 
今回の事例では「専業主婦の妻と2人暮らし」ということですが、配偶者の年齢や本人・配偶者の障害の有無などによっては利用できる控除があるかもしれません。なお、表の金額は所得税の控除額であり、住民税の控除額とは異なるため注意が必要です。
 

年金生活者でも使える「税額控除」にはどのようなものがある?

税額控除は、所得から差し引く「所得控除」とは異なり、算出された税額そのものを直接減らす制度です。
 
代表例としては、上場株式などの配当を総合課税で申告した場合の配当控除、要件を満たした住宅取得で使える住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)、海外で課税された所得がある場合の外国税額控除などがあります。
 
また、寄附に関しては制度ごとに扱いが異なりますが、ふるさと納税も税負担軽減の対象で、所得税では寄附金控除(所得控除)、住民税では基本分・特例分の税額控除という形で反映されます。
 
つまり、ふるさと納税は「税額控除も関係する制度」であり、特に住民税側で税額控除の効果が大きい仕組みです。なお、控除額には上限や要件があるため、実際の適用可否はその年の所得や申告方法(確定申告・ワンストップ特例)で確認することが大切です。
 

年金にかかる税金を減らす方法

年金受給者が確定申告することで、年金にかかる税金を減らして手取りを増やせる可能性があります。
 
例えば、自分自身や家族が1年間に支払った医療費の合計が一定額を超える場合は、医療費控除の対象になります。今回のケースのように、総所得金額の合計が200万円以上の人は「(1年間の医療費の合計-保険金などの補てん金額)-10万円」が控除の対象になるため、計算してみましょう。
 
ただし、医療費控除の上限は200万円となります。
 
そのほかにも、災害や盗難に遭った場合の「雑損控除」、ふるさと納税を利用した場合の所得税・住民税からの控除なども対象になる可能性があるため、該当する場合は計算してみるとよいでしょう。
 

年金生活者でも「所得控除」「税額控除」を受けられる可能性はある

老齢年金は課税対象となるため、所得税や住民税が差し引かれて支給されます。手取りを増やすには、まず配偶者控除や扶養控除などの所得控除の対象になるかを確認することが大切です。これらの控除は、課税対象となる所得そのものを減らす効果があります。
 
あわせて、確定申告によって医療費控除や雑損控除などを適用できる場合もあります。
 
さらに、ふるさと納税を利用した場合は、所得税では寄附金控除(所得控除)、住民税では税額控除として反映されるため、結果として税負担の軽減につながる可能性があります。控除の適用には要件や上限があるため、年ごとの収入や支出に応じて確認することが重要です。
 

出典

公益財団法人 生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計 公的年金の税金(所得税)はどうやって計算される?
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
国税庁 No.1250 配当所得があるとき(配当控除)
国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 No.1120医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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