2月15日(日) 23:10
前泊が必要になる典型は、始業が早く当日移動だと間に合わない場合です。後泊は、業務終了が遅く当日中の帰宅が難しい場合や、翌朝の移動のほうが安全で合理的な場合です。
出張旅費は、その旅行について通常必要と認められる部分が前提になる、という考え方が税務上も示されています。つまり、必要性が説明できる前泊後泊は、必ずしも不正ではありません。
一方で、観光が主目的になっている場合は話が変わります。仕事は1日だけで、観光のために余計に泊数を増やし、その全額を出張費として申請するなら、通常必要の範囲から外れやすいです。
出張費は会社のお金なので、私的な支出を混ぜれば不正請求と扱われる可能性があります。経費の不正請求は、懲戒処分の対象になり得て、悪質だと刑事事件に触れる可能性もある、といった指摘もされています。観光自体が悪いのではなく、私的部分の費用を会社に負担させることが問題です。
たとえば、業務日の宿泊は会社負担、観光で延泊した分は自己負担、という区切りを明確にすれば、線引きはしやすくなります。逆に、領収書の宛名や明細の宿泊日が業務日と合わないのに出張費として出すと、発覚時の説明が難しくなります。
まずは、前泊後泊の社内ルールを確認し、疑問点を制度の話として出すのが現実的です。
たとえば、次の出張精算の場面で、前泊後泊はどの条件なら認められるのか、観光目的の延泊は自己負担なのか、と上司や総務に確認する形です。本人に直接言う場合も、責めるより、規定上どうなるのか気になった、という聞き方のほうが角が立ちにくいです。
もし会社に明確な内部通報窓口があるなら、そちらを使う選択肢もあります。公益通報者保護法の制度として、内部通報対応体制の整備などが示されており、通報のルートを用意している企業も増えています。
前泊と後泊は、業務上必要なら認められ得ます。しかし観光目的の宿泊まで会社に申請するなら、不正の疑いが強まります。疑問が解消しない場合は、上司や総務への確認、内部通報窓口の活用などを検討するとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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