ヨルゴス・ランティモス監督の最新作「ブゴニア」が公開中だ。アリ・アスターがプロデューサーに名を連ね、韓国映画「地球を守れ!」をリメイクした本作は、第98回アカデミー賞で作品賞をはじめ、計4部門にノミネート。陰謀論者に“地球を侵略する宇宙人”だと疑われ誘拐される、製薬会社のカリスマ経営者ミシェルを演じたエマ・ストーンは、3度目の主演女優賞候補になっている。
マーティン・スコセッシ×ロバート・デ・ニーロ、ティム・バートン×ジョニー・デップなど、過去にもハリウッドの黄金コンビは存在したが、いま現在、最も熱い視線が注がれるのが、ランティモス×ストーンの最強タッグだ。映画の魔法を更新し、ファンを刺激する“3作品”のコラボレーションを振り返る。
●1.「女王陛下のお気に入り」(2018)
18世紀イングランドの王室を舞台に、女王の寵愛を奪い合うふたりの侍女の愛憎劇を紡いだ人間ドラマ。第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で審査員グランプリを受賞した。絶対的権力を握りながら、過食による痛風に悩まされるアン女王を演じたオリビア・コールマンが、第91回アカデミー賞で主演女優賞に輝いている。
アン王女をはじめ、女王の幼なじみで権力を握るレディ・サラと、貴族に返り咲く機会を狙う新人侍女のアビゲイルが火花を散らす“壮絶バトル”が大きな見せ場。サラ役のレイチェル・ワイズ、アビゲイルを演じたエマ・ストーンがそろってアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされた。
歴史劇の既成概念にとらわれず、これまで以上にセンシティブな描写にも挑んだ本作では、ランティモス監督自身も初めて、アカデミー賞の監督賞候補に。ストーンとランティモス監督のタッグはここから始まり、「哀れなるものたち」「憐れみの3章」へと連なる蜜月の幕開けとなった。ディズニープラスで配信中(15+)。
●2.「哀れなるものたち」(23)
スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を映画化。自ら命を絶った不幸な女性ベラは、風変わりな天才外科医によって、自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。彼女は「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられ、大陸横断の旅に出る。第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞した。
大人の体を持ちながら新生児の目線を持つ主人公ベラを、エマ・ストーンが自由奔放に熱演。第96回アカデミー賞で主演女優賞に輝き、「ラ・ラ・ランド」に続く2度目の栄冠を手にした。また、プロデューサーとしても名を連ねている。
時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていくベラの冒険は、“故郷”ロンドンからリスボンを経て、豪華客船に乗ってアレクサンドリア、パリをめぐり、麗しくも大胆なタペストリーを紡いでいく。ランティモス監督の気高い芸術性も高く評価されており、アカデミー賞では、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞している。ディズニープラスで配信中(18+)。
●3.「憐れみの3章」(24)
「哀れなるものたち」に出演したエマ・ストーン、ウィレム・デフォー、マーガレット・クアリーが再集結し、ジェシー・プレモンス、ホン・チャウ、ジョー・アルウィン、ママドゥ・アティエ、ハンター・シェイファーら実力派俳優陣が勢ぞろい。彼らが独立した3つの全エピソードに出演しながら、各章でまったく異なる役柄を演じる画期的なアンソロジーに仕上がった。プレモンスが、第77回カンヌ国際映画祭の男優賞を獲得している。
ストーンは、秘密を抱える眼鏡販売員のリタ、海難事故から生還し、夫から“別人”だと疑われる海洋学者のリズ、ある条件を満たす女性を探し回る新興宗教の信者エミリーという、3人の女性を見事に演じ分けている。劇場公開時には、エミリーが披露するダンスも話題を集めた。
「籠の中の乙女」「ロブスター」「聖なる鹿殺しキリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のエフティミス・フィリップが共同脚本を手がけ、ランティモス監督とのタッグが復活。章が変わるたびに、鮮やかに刷新される世界観と、接点がないはずの各章が不穏にリンクする“仕掛け”が見る者を深い洞察へと誘っている。ディズニープラスで配信中(18+)。
【作品情報】
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ブゴニア
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