米映画業界、バイトダンスの動画生成AI「Seedance 2.0」を一斉非難

トム・クルーズ対ブラッド・ピットの生成動画がSNSで大バズり

米映画業界、バイトダンスの動画生成AI「Seedance 2.0」を一斉非難

2月16日(月) 13:30

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米映画業界が、中国発の生成AIをめぐり強い危機感を示している。業界団体のモーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)は、TikTokで知られるバイトダンスが新たに公開したAI動画生成モデル「Seedance 2.0」について、「公開からわずか1日で、米国の著作権で保護された作品を大規模かつ無断で使用している」として強く非難する声明を発表した。

Seedance 2.0は、バイトダンスeが「前世代から生成品質が大幅に向上した」とうたう最新の動画生成AI。公開直後から、実在の俳優を強く想起させる映像や、既存映画・ドラマ作品を明確に連想させる動画がSNS上で急速に拡散。トム・クルーズとブラッド・ピットが屋上で殴り合うといった映像が象徴的な例として注目を集めた。

メジャー映画スタジオ5社、ミニメジャーのアマゾン・MGMスタジオ、動画配信サービス大手で構成されるMPAは声明で、「権利侵害防止の実効的なセーフガードを欠いたままサービスを開始することは、クリエイターの権利を守り、数百万人の雇用を支えてきた著作権法を無視する行為だ」と指摘し、バイトダンスに対し侵害行為の即時停止を求めたことを米バラエティが報じた。

MPAは過去にも、OpenAIが動画生成AI「Sora 2」を公開した際、同様の懸念を表明していた。これに対しOpenAIは、権利侵害を抑制する技術的セーフガードを導入し、さらにディズニーが約200のキャラクターを正式にライセンス供与する契約を締結。業界内では、生成AIと著作権の共存モデルとして一定の評価を受けていた。一方、バイトダンスが同様のライセンス路線を取るかは不透明である。

スタジオ単体での抗議活動も起こっている。パラマウント・スカイダンスは、バイトダンスが提供する動画生成AIプラットフォーム「Seedance」および画像生成AIプラットフォーム「Seedream」について、自社IPを「露骨に侵害している」として、使用停止を求める是正要求書を送付した。

同スタジオは、「サウスパーク」「スター・トレック」「ゴッドファーザー」「ドーラといっしょに大冒険」などのIPが、視覚的・聴覚的に区別不能な形で生成・流通していると主張。著作権法のみならず、商標法や不正競争防止法にも違反すると指摘している。

この動きに先立ち、ディズニーも同様の是正要求書を送付した他、労働組合側も反発を強めている。

こうした中、「デッドプール」シリーズ脚本家のレット・リースは、Seedance 2.0で生成された動画を受け、「近い将来、たった一人がPCの前に座るだけで、ハリウッド作品と見分けがつかない映画を作れるようになる」とコメントし、映画制作の根幹が揺らぐ可能性に言及した。

バイトダンスは本件について、現時点で公式なコメントを出していない。

【作品情報】
デッドプール

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Photo illustration by Cheng Xin/Getty Images
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