【漫画】本編を読む
実話を基に、DVや虐待など過酷な現場を描いてきた宮野シンイチさん(@Chameleon_0219)による漫画「夜逃げ屋日記」。本作は、依頼者を夜逃げさせる夜逃げ屋の現場を通して、人が追い詰められていく現実を描き続けている。今回は、Twitterで公開された第17話を紹介するとともに、夜逃げ屋に欠かせない“カウンセラー”の存在について話を聞いた。
■夜逃げ前に行われる「打ち合わせ」という時間
夜逃げ屋は、決行前に必ず依頼者と電話で打ち合わせを行い、当日の細かなスケジュールを詰めていく。社長から事務所の場所を教えられ、宮野が向かうと、そこには見知らぬ男女の姿があった。男性は握手を交わしながら、「はじめまして。夜逃げ屋のスタッフ兼カウンセラーのジョーです」と名乗る。
依頼者の中には、夜逃げが終わっても心の傷が癒えない人が少なくない。そうしたときに対応するのが、カウンセラーであるジョーさんだ。今回の依頼者・井上ヨシコさんも、現在ジョーさんのカウンセリングを受けている一人だった。
■「実の母親から逃げたい」宗教に縛られた人生
井上さんは母子家庭で育ち、母親は昔からある宗教に深くのめり込んでいた。その宗教には厳しい規則があり、破れば鞭打ちなどの虐待を受けるという。井上さんが逃げたい相手は、他でもない実の母親だった。
物心つく前から宗教活動に参加させられ、気づけばもうすぐ30歳。学歴は中卒で、現在はアルバイト生活を送っている。母親は働かず、井上さんが稼いだ給料のほとんどは生活費として消えていった。
宮野が勇気を出して「お母さんのことどう思ってますか?」と尋ねると、井上さんは険しい表情でこう語る。「私の人生をむちゃくちゃにされたんです。恨んでます。心の底から」。その言葉からは、長年積み重なった感情の重さがにじみ出ていた。
■想定外だった「宗教」という問題
今回の依頼は宗教が絡むケースであり、宮野にとっても想定外の内容だった。これまではDVや虐待の相談が多く、宗教問題についての知識はほとんどない。どう向き合えばよいのか分からず、戸惑いを隠せない宮野だったが、そこで再びカウンセラーのジョーさんと顔を合わせる。
「よろしければ、ちょっとお喋りしませんか?」。そう声をかけられ、二人は喫茶店へ向かう。夜逃げ屋の現場で、カウンセラーはどのような役割を果たしているのか――。
■「話を聞いてくれるだけでも楽になる」カウンセラーの存在
宮野は、カウンセラーの存在について「チラッと聞いた程度ではあったのですが、『あー、なんかそんな人がいるって言ってたような…』ほどの認識でした」と振り返る。
一方で、その重要性については「心の傷はそう簡単に消えるものではありませんし、話を聞いてくれるだけでも楽になれることってたくさんあると思うので、重要な存在だと思います」と語る。夜逃げはゴールではなく、新しい人生のスタートであり、その先を支える存在が必要なのだ。
「夜逃げ屋日記」は、2023年6月22日(木)に書籍化。描き下ろしを含め、さらに深く夜逃げ屋の現実が描かれる予定だ。逃げるという選択の先にあるものを、改めて考えさせられる一作である。
取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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