2月15日(日) 4:40
60歳で資産1億円が同世代の中でどの位置にいるのかを知っておくと、老後の計画が立てやすくなります。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査2025年」によると、二人以上世帯の金融資産保有額は、60歳代で平均2683万円、中央値1400万円となっています。
60代で金融資産を3000万円以上保有している割合は、二人以上世帯で27.2%ありますが、1億円は「3000万円以上」の枠を大きく超えます。60歳で1億円の金融資産は、かなり上位の水準です。
令和8年度の年金額の目安は、国民年金(満額)が月額で7万608円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準額)が23万7279円です。
ただし、年金額は人によって大きく変わります。この金額は「目安」だと理解しておくことが大切です。
ここでは、60歳で1億円の資産を持ち、85歳まで生きると仮定して計算します。
収入は年金のみで夫婦2人分の月額30万円(年間360万円)。支出は、J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査2025年」にある二人以上世帯の60代のひと月当たり最低生活額の概算(39万円)を参考に、月額40万円(年間480万円)とします。
前提条件は資産1億円、年金収入は夫婦2人分で月額30万円(年間360万円)、月間支出は月額40万円(年間480万円)です。生活期間は60歳~85歳の25年間とします。
年間不足額は、360万円−480万円=120万円です。これが25年続くと、120万円×25年=3000万円の不足になります。 結果として、1億円−3000万円=7000万円が残る計算です。この試算だけを見ると、85歳時点でも7000万円が残ります。
次に、生活をかなりゆったりさせて支出が倍になった場合を考えます。月間支出は月額80万円(年間960万円)にします。
年間不足額は、360万円−960万円=600万円となります。25年分の不足は、600万円×25年=1億5000万円です。 結果は、1億円−1億5000万円=−5000万円で、資産が途中で尽きる見込みになります。
つまり、お金を多く使う暮らしを続けると1億円でも足りなくなる可能性があります。
将来は何が起きるか読めないので、1億円の資産があっても「少し働く」という選択には意味があります。
まずは追加収入の確保です。年金だけに頼らず、毎月数万円でも入ってくれば生活に余白ができます。また資産の延命も見逃せません。いざという時に使えるお金が残りやすいからです。
働くことはお金だけの話ではありません。働くと毎日だらだらしにくく、生活リズムも整いやすいです。
社会との接点が続く点も大きいでしょう。職場の会話や役割があると、孤立しにくくなります。人と話す機会があるだけで、気分が落ち込みにくい人も多いです。
60代の金融資産は平均で二人以上世帯2683万円が目安です。60歳で1億円あればかなり上位に位置します。
年金月額30万円・支出月額40万円なら、85歳で7000万円が残る計算になります。反対に支出が月額80万円だと、資産が5000万円足りなくなります。老後も働けば収入が増え、取り崩しの先延ばしにつながります。また生活リズムや社会とのつながりも保ちやすいです。
J-FLEC(金融経済教育推進機構) 家計の金融行動に関する世論調査2025年
厚生労働省 令和8年度の年金額改定について
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
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