昨年「住宅ローン4000万円」で中古住宅を購入しました。2026年度から“控除上限額”が上がると「年収700万円」のわが家に影響はありますか? 改正内容を確認

昨年「住宅ローン4000万円」で中古住宅を購入しました。2026年度から“控除上限額”が上がると「年収700万円」のわが家に影響はありますか? 改正内容を確認

2月15日(日) 4:40

住宅ローン控除は、住宅を購入する多くの人が利用している制度です。その住宅ローン控除が、2026年度与党税制改正大綱において見直される方針が示されました。 改正内容の1つに借入限度額の上限引き上げが含まれるため、「自分も住宅ローン控除額が多くなるのでは」と期待する人もいるのではないでしょうか。しかし、上限が引き上げられても、すでに住宅ローンを組んでいる世帯では、控除額が必ずしも増えるわけではない点に注意が必要です。 本記事では、2026年度与党税制改正大綱における住宅ローン控除の改正内容と、すでに住宅ローンを組んでいる世帯が対象とならない理由を解説します。

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、年末時点の住宅ローン残高に一定の控除率をかけた金額が、所得税や住民税から差し引かれる制度です。控除額は「年末の住宅ローン残高×控除率」で計算され、現在の控除率は原則0.7%です。
 
ただし、控除額の計算に反映される住宅ローン残高には、「借入限度額」と呼ばれる控除対象となる上限が設けられています。現行制度における借入限度額は、住宅の性能などに応じて次のように設定されています。
 

・新築住宅の借入限度額(2025年入居の場合)

長期優良住宅・低炭素住宅:4500万円
ZEH水準省エネ住宅:3500万円
省エネ基準適合住宅:3000万円
その他の住宅:0円

 

・中古住宅の借入限度額

一定の省エネ性能要件を満たす住宅:3000万円
その他の住宅:2000万円

 
例えば、中古住宅の購入に4000万円を借り入れたとしても、住宅ローン控除の計算に使われるのは、3000万円または2000万円までに限られます。年末のローン残高が借入限度額を超えた場合でも、控除額は借入限度額に控除率をかけた金額までで頭打ちとなることに注意が必要です。
 

2026年度の住宅ローンはどう変わる?

2026年度の与党税制改正大綱では、住宅ローン控除に関していくつかの改正内容が示されています。その中の1つに、省エネ性能の高い中古住宅に対する借入限度額の引き上げ(省エネ基準適合住宅については引き下げ)があります。具体的な内容は次の通りです。


・認定住宅、ZEH水準省エネ住宅:3000万円から3500万円へ引き上げ
・省エネ基準適合住宅:3000万円から2000万円へ引き下げ

上記に加えて、子育て世帯、または本人が40歳未満、もしくは40歳未満の配偶者がいる世帯では、借入限度額がそれぞれ1000万円上乗せされます。
 
ただし、この改正の適用対象が、2026年以降に住宅を取得・入居する人に限定されていることに注意が必要です。これから中古住宅を購入する人を対象とした措置であり、すでに住宅を取得している人を含める内容にはなっていません。
 
今回のケースのように、昨年中古住宅を購入し、既に住宅ローン控除の適用を受けている場合、借入限度額の引き上げによって控除額が増額されることはない見込みです。
 

改正内容を正しく理解して家計管理に生かそう

住宅ローン控除の控除額の計算に用いるローン残高には、借入限度額が設定されています。2026年度与党税制改正大綱において、認定住宅またはZEH水準省エネ住宅基準を満たした中古住宅に対して、借入限度額を引き上げる方針が示されました。
 
しかし、この改正の適用対象は2026年以降に取得・入居する人に限られており、すでに中古住宅を取得している人は、原則として改正による控除額の増額はありません。制度改正の内容を正しく理解し、自分にとって影響がある内容かどうかを判断して家計管理に生かしましょう。
 

出典

国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
国土交通省 住宅ローン減税等に係る所要の措置(所得税・個人住民税)
自由民主党 令和8年度与党税制改正大綱
 
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

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