「学年誌 ウルトラふろく大全」(小学館クリエイティブ/現在発売中)は、昭和40~50年代の小学館の学年誌・幼児誌で人気を博した、懐かしいウルトラマンシリーズのふろく200点以上を紹介した画期的な書籍だ。
組み立て付録はもちろんのこと双六やポスター、かるたやトランプに別冊ふろくなどバリエーションもたっぷり。さらに収録号の記事や次号予告、ふろくの箱絵なども抜粋して掲載されており、当時実際に学年誌・ふろくを楽しんだ世代にはたまらない内容となっている。
前代未聞のこの一冊はいかにして出来上がったのか、編者である秋山哲茂さんに話をうかがった。
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――本書の企画を立ち上げた経緯についてお聞かせください。
秋山子どもの頃からウルトラマンと藤子不二雄が大好きで、中学・高校時代には自分で学年誌を購入していましたし、『ドラえもん』関係の仕事をするようになってからは古い学年誌に触れる機会が格段に増えました。
20数年前に小学館が「ふろく博物館」というサイトを立ち上げたことをきっかけに、毎月数点の組み立てふろくを作り紹介する仕事に関わることになりました。その後も『ウルトラ博物館』(2003年)、『学年誌ウルトラ伝説』(2017年)といったムック本、また社内資料用のために足かけ22、3年かけて作られたウルトラふろくの集大成として、今回の本は企画されました。
また、2025年にウルトラマンシリーズが60周年、『小学一年生』が100周年を迎えたので、両者の歴史をまとめた集大成的な一冊を作りたいという思いも込められています。
――ふろくの収集・内容確認などの作業での苦労はありましたでしょうか。
秋山対象とした雑誌は1966年~1974年の9年間、1978~1984年の7年間に刊行された『小学一年生』~『小学六年生』の学年誌6誌。加えて『めばえ』『よいこ』『幼稚園』の幼年誌3誌。さらにそれらの増刊や『小学館BOOK(小学生ブック)』などで、およそ1600冊となります。
学年誌本体は小学館の資料を手に取って確認できるのですが、組み立てふろくに関しては特別な許可を得て倉庫から取り寄せる必要があるんです。予告や作り方で目星をつけて取り寄せた段ボールの数は延べ数十箱にも及びます。「学年誌のふろくの記録がきちんと残るなら」と協力していただいた小学館資料室の方々のご理解がなければ実現できなかったと思います。
さらに一冊ごとに梱包されているふろくの袋を開けて中身を確認、それをひとつずつスキャンし、厚手の紙にプリントして切り抜き、組み立ててを繰り返し……物量的にも時間的にも大変でした。
――掲載されたふろくの選定の基準は?
秋山組み立てふろくは極力収録しようという方針で作業しましたが、数が多い「怪獣しゃげきゲーム」系は厳選し、ふろくの仕組みが似通ったもの、また単純なものなどの掲載も基本避けています。
実は当初、幼年誌のふろくは含まれていなかったのですが、あまりにも魅力的なものが多かったため、進行途中でねじ込みました。
――復刻ふろくとして「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を選んだ理由は?
秋山精緻で生き生きとしたイラストで50体もの人気怪獣が一挙に揃う豪華さがなにより魅力です。船やタンクの書き割りを手前や奥に配置し、特撮ステージ(セット)を自分で組んでいくような楽しさも味わえるのではないかと思います。
また、背景に描かれた雄大な富士山も魅力的です。富士山をバックにしたヒーローや怪獣は、『地球防衛軍』、『怪獣総進撃』、『スペクトルマン』のバクラー回、『ウルトラマンA』のバキシム、『仮面ライダーX』のオープニング、『ギャバン』最終回でギャバンと握手するシャリバンなど枚挙に暇がありません。
――掲載されたふろくの中で、秋山さんのお気に入りは何でしょうか。
秋山ベムスターがくるりと回転してQちゃんの口にコインを運ぶ「オバQまほうちょきんばこ」です。ウルトラと藤子不二雄という自分が愛した二大巨頭が仲良く並んでいる姿に愛おしさを感じます。リアルタッチで描かれたベムスターの無表情な感じと、ニコニコ笑顔のQちゃんの対比もたまらないです。
実際のふろくももちろん、箱絵の二人も良い表情ですので、存分に眺めていただければと思います。
あと、わんさと怪獣が荷台に積みこまれている「ウルトラダンプカー」も触れないわけにはいきません。子どもが大好きな作業車と怪獣、両方を合体させたらとんでもないオリジナリティを持ったふろくが誕生しました。
予告カットではカウラだったダンプカー正面の顔を、直前にエースキラーに変更したチョイスも素晴らしいです。ちなみに『電人ザボーガー』のブルガンダーよりなんと2年ほど前です。
――組み立て付録の作成で苦労した点などありましたらお聞かせください。
秋山当時の組み立てふろくは今の眼で見ても非常にデキが良いと思いますが、すべて人の手で設計されていること、さらに印刷機の精度も甘かったのか、差し込み口とベロの位置やサイズが全然合わないこともよくありました。
特に「怪獣げんとうきにもなるしんかい」は潜水艦をモデルにしたふろくで、丸い船体の再現のためにひたすら大中小の筒を作ってそれらを組み合わせなければならず、完成はかなり大変でした。
――その他、本書の編集作業で苦労した点などはありましたか。
秋山ふろくの収集・組み立てはもちろんですが、ウルトラ以外の他社版権キャラの権利確認が大変でした。学年誌ふろくは様々な版権キャラが異色のコラボをしているところが魅力でもあるので、本誌コラムでも大きくフィーチャーしています。
また、巻末には対象年の全ウルトラふろくリストを掲載しましたがこちらのまとめも大変で、編集協力の三上敏男さんのおかげでようやく整理ができました
――最後に、どんな方たちに本書を手に取ってもらいたいか、そのセールスポイントも含めてお教えください。
秋山ライトなウルトラファンやごりごりのマニアに至るまで、ウルトラヒーローや怪獣が好きな人だったら確実に楽しめる一冊になっています。
ただひたすらにふろくのカラフルな色とさまざまな形の面白さ、楽しさに酔いしれ無心にページをめくってもいいでしょうし、「怪獣とダンプカーを合体させてもいいんだ…」「ウルトラの母を飛び出させてもいいんだ…」といった、その大胆な発想が日々の悩みに何かしらの啓示を与えてくれたりするかもしれません。
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