2月14日(土) 2:30
親が子どものために保険料を肩代わりしている場合、それ自体が直ちに「贈与税の課税対象」になるわけではありません。なぜなら、贈与税には年間110万円の「基礎控除」があるからです。
ただし、生命保険では課税関係が生じる場面に注意が必要です。実は、保険料を親が払っている期間中よりも、将来「満期保険金」や「解約返戻金」を受け取ったときに、大きな税負担が生じる可能性があります。
国税庁によれば、保険料を負担していない人が保険金を受け取った場合、その保険金は負担者からの「贈与」とみなされます。たとえ年間の保険料が少額であっても、長年積み立てられた保険金が一度に支払われる際、その総額が110万円を超えていれば贈与税の課税対象となるのです。
生命保険にまつわる税金は非常に複雑で、被保険者が死亡し、保険金の受取人が死亡保険金を受け取った場合は、「被保険者(保険がかかっている人)」「保険料の負担者」「保険金の受取人」の組み合わせによって、かかる税金の種類が「贈与税」「相続税」「所得税」の3種類に分かれます。
国税庁の公式サイトを基に、ここでは母親が被保険者として、3つのケースを整理してみましょう。
・贈与税がかかるケース:母親が被保険者で、父親が保険料を支払い、子どもが死亡保険金を受け取る場合。
・相続税がかかるケース:母親が被保険者かつ自分で保険料を支払い、子どもが死亡保険金を受け取る場合。
・所得税がかかるケース:子どもが自分で保険料を支払い、子どもが死亡保険金を受け取る場合。
親が良かれと思って続けてくれた積み立てが、受取時に課税を招く結果にならないよう、契約形態などを正しく把握しておくことが重要です。
税務調査において、特に注意が必要なのが「名義保険」という考え方です。名義保険とは、書類上の契約者が「子ども」であっても、実質的に保険料を支払っているのが「親」である状態などを指します。
このような場合、親が亡くなった際に「これは子どもの財産ではなく、亡くなった親の財産(相続財産)である」とみなされ、期限内に申告・納税をしなければ、修正申告や追徴課税を求められるリスクがあります。
保険料が親の口座から直接引き落とされている場合、それは「親の資産」とみなされやすいです。一度、親から子どもの口座へ「現金」として基礎控除110万円の範囲内で贈与し、そこから子どもが保険料を支払うという形をとれば、税務上はクリーンになるでしょう。
今のうちに親子間で契約内容を話し合い、将来のリスクを回避しましょう。
親が子どものために保険料を負担するケースは少なくありませんが、税務上の取り扱いは契約形態や受取人の設定などによって異なります。そのため、意図しない課税を避けるためにも、現行の税制を踏まえたうえで契約内容や受取方法を確認しておくことが重要です。
具体的な判断が難しい場合には、保険会社や税理士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、事前に整理しておくこともひとつの方法といえるでしょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1750 死亡保険金を受け取ったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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