2月14日(土) 0:30
老後の生活に備えて、年金を受け取りながらも働き続けたいと考える方もいるでしょう。その際に知っておきたいのが在職老齢年金です。
在職老齢年金は、会社などで働き給与を得ながら老齢厚生年金を受給する場合に、収入額に応じて年金が調整される制度です。会社員として厚生年金に加入している方が対象となり、個人事業主など厚生年金に入っていない方は該当しません。
ポイントになるのは、年金の月額と給与(賞与を含む月換算額)の合計金額です。この合計が一定額を超えると、年金の一部が減額となります。具体的な金額は、以下の通りです。
・年金と給与の合計が月51万円以下の場合、年金はそのまま全額受け取れる
・年金と賃金の合計が51万円を超えると、超えた分の半分が年金から差し引かれる
たくさん働いた分だけ年金が満額もらえるわけではなく、収入が増えるほど年金が調整される可能性がある点に注意が必要です。
また、2026年4月からは基準額が月62万円に引き上げられる予定です。これまでより収入が増えても年金が減りにくくなるため、年金を受け取りながら働きたい方にとっては追い風といえるでしょう。
年金を減らさずに働くためには、在職老齢年金に加えて、年収の壁も意識しましょう。年収の壁とは、収入が一定額を超えたタイミングで、税金や社会保険料の負担が新たに発生する境目のことを指します。壁を超えると、収入は増えているのに手取りが思ったほど増えない、場合によっては減ってしまうかもしれません。
年収の壁の種類は、図表1の通りです。
図表1
| 種類 | 年収の目安 | 主な影響 |
|---|---|---|
| 税金に関する壁 | 100万円 | 住民税がかかり始めるライン |
| 103万円 |
所得税が発生する基準
配偶者本人に税負担が生じる |
|
| 150万・201万円 |
配偶者控除、配偶者特別控除
配偶者の所得税・住民税の控除額が段階的に減少する |
|
| 社会保険に関する壁 | 106万円 | 一定規模以上の会社勤務の場合、社会保険への加入義務が発生 |
| 130万円 | 扶養から外れ、自分で保険料を負担する必要が出てくる | |
| 配偶者手当に関する壁 | 103万または130万 |
配偶者手当
配偶者の会社独自の制度により収入超過で手当が減額・停止されることがある |
出典:厚生労働省「『年収の壁について知ろう』あなたにベストな働き方とは?」を基に筆者作成
このように一定の年収を超えると、社会保険料や税金の負担が発生し、かえって世帯全体の手取りが減ってしまう可能性があります。そのため、やみくもに働くのではなく、年収の壁を正しく理解し、どの水準までなら年金や扶養、税金に影響が出ないのかを確認したうえで働き方を決めることが大切です。
定年を迎えた後も働く場合、年金と収入の合計が51万円を超えると、超えた分の半分が年金から差し引かれてしまいます。2026年4月以降は、62万円に引き上げられる予定です。このように一定の収入を上回ると年金に影響が出るため、老後に働く際は、在職老齢年金の仕組みを理解したうえで収入を調整するようにしましょう。
また、年収が一定額を超えることで税金や社会保険料の負担が発生する年収の壁にも注意が必要です。収入を増やしたつもりでも、社会保険料や税金が増え、世帯全体の手取りがかえって減ってしまう可能性があります。
制度を正しく理解し、自分に合った収入水準で無理なく働くことが、安心した老後生活につながるでしょう。
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
厚生労働省 『年収の壁について知ろう』あなたにベストな働き方とは?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
共働きの両親はもうすぐ定年です。年金は2人合わせて「月30万円」、貯蓄は「1500万円」くらいだそうですが、生活はできますか?