2月13日(金) 4:40
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の1ヶ月あたりの実収入は13万4116円で、そのうち年金を含む社会保障給付が12万1629円を占めています。
一方、消費支出は14万9286円、非消費支出は1万2647円で、毎月2万7817円の赤字となっています。
このうち住居費は月平均1万2693円とされていますが、この数値には持ち家世帯も含まれているため、民間賃貸住宅に住む場合の家賃とは大きく異なる可能性があります。
アットホーム株式会社の「2025年12月 全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向」によると、シングル向け物件の平均家賃は地域差が大きく、例えば東京23区ではマンションが10万6854円、アパートが7万1489円とされています。東京都下ではマンション6万3994円、アパート5万7730円です。
一方、家賃が比較的低い地域としては、北海道札幌市でマンション4万3647円、アパート3万4869円という水準が示されています。家計調査の平均住居費1万2693円と比べると、都市部の民間賃貸では数万円単位で上回ることが分かります。
仮に、年金収入が月13万円前後で、家賃が月6万円の場合、収入の約半分が住居費に充てられる計算になります。さらに食費や光熱費、医療費などを加えると、家計調査の平均支出水準を大きく上回る可能性があります。
例えば、家賃6万円を前提に単純に試算すると、年金13万円から家賃を差し引いた残りは7万円です。この金額で食費や水道光熱費、通信費、医療費などを賄う必要があり、平均的な支出水準と比べると、毎月数万円の赤字が生じる可能性があります。
貯金800万円があれば一定期間は補てんできますが、毎月3万円の赤字でも年間で約36万円、単純計算では約22年で取り崩すことになります。家賃が高い地域であれば、取り崩しのペースはさらに早まることになります。
年金だけでのやりくりが難しい場合には、いくつかの対応策が考えられます。
ひとつは、住居費の見直しです。家賃が家計に占める割合が高い場合、より家賃の低い地域や物件への住み替えを検討することで、固定費を抑えられる可能性があります。
また、自治体によっては高齢者向けの家賃補助や公営住宅の制度が設けられている場合もあります。こうした公的支援制度を確認することも重要です。
さらに、支出の内訳を把握し、食費や通信費などの変動費を見直すことで、赤字幅を抑えられる場合もあります。ただし、医療費や介護費は年齢とともに増加することが想定されるため、過度な節約だけに頼るのではなく、貯蓄の取り崩し期間を現実的に見積もることが必要です。
総務省統計局の家計調査では、高齢単身無職世帯は年金中心の収入では平均的に毎月赤字となっています。平均住居費は月1万2693円ですが、民間賃貸では家賃が数万円高くなるケースが多く、年金だけでやりくりするのは地域によっては容易ではありません。
貯金800万円は一定の安心材料になりますが、家賃水準や医療費などによって取り崩しのペースは大きく変わります。年金額と住居費のバランスを確認し、必要に応じて住み替えや公的支援制度の活用を検討しながら、無理のない生活設計を立てることが重要といえるでしょう。
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2024年-(19ページ)
アットホーム株式会社 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(2025年12月) 東京 23 区(3ページ)、東京都下(4ページ)、北海道札幌市(8ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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