レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
記憶の扉のドアボーイ・
山下メロ
です。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、2026年1月31日に、インターネット回線のフレッツ・ADSLが完全に終了しました。「昔はパソコンから電話をかけてピーヒョロロロという音を聞いてからネットしてたんだぞ!」と語るのはインターネット老人会定番の老害ムーブです。そのダイヤルアップ接続を終わらせたのが、電話回線の帯域を利用したネット常時接続技術のADSLでした。
ADSL以前にパソコンでネットをするにはモデムという機器を電話回線につなぎ、プロバイダーのアクセスポイントに電話をしました。これは電話代が高く、ヘビーユーザーはNTTの夜間通話定額サービス「テレホーダイ」を利用するのが定番。そのため、夜更かしせざるをえません。さらに、テレホタイム中は接続が殺到し、回線が話し中となってネットにつながらないことも。
当時は、決まった金額で24時間いつでもインターネットができれば......と夢想する時代で、民間向けの定額常時接続サービスが待ち望まれていました。
家電量販店で配布されたADSL各社の入会ディスク
フレッツ・ADSLの懸賞品フレッツ・ロボ
常時接続サービスの一般化は、00年にNTTのフレッツ・ISDNの登場、CATVのネットサービスやJ-DSLなど各社のADSLが普及して始まります。ただし、本格的に広まったのは、01年に開始したソフトバンクBBのYahoo! BB ADSLの影響が大きいでしょう。
Yahoo! BBは雑誌を出版するほど。表紙は平田裕香さん
街頭で配布されたYahoo! BBのトリオモデム
球団保有前のソフトバンクBBは、オリックスの球場の命名権を取得した
Yahoo! BBは街頭にパラソルを立ててモデム入り紙袋を配布する囲い込みと、相場を大きく下回る低価格戦略で一気に顧客を獲得。競合他社も料金改定し、結果的には誰しもが低価格かつ高速で安定した常時ネット接続を楽しめる時代が来たのです。
その後、高画質動画配信などネット上のコンテンツがリッチ化し、高額ながらより高速な光回線インターネットの時代へ移行しました。しかし、既存の電話回線網を利用するメリットは大きく、ずっとADSLにお世話になっていた人も多くいました。今こそ振り返りましょう。
撮影/山下メロ
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