【漫画】本エピソードを読む
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、B.B軍曹さんが描く『全てのネガティブをプラスに変える夫 髭』(主婦と生活社)より『やる気が出ない時に効く夫のやさしさ』をピックアップ。
B.B軍曹さんが1月5日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、B.B軍曹さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■“正月ボケ”は素晴らしい
髭(夫)と軍曹(妻)の自己啓発系コミックエッセイである本作。現代社会のさまざまな“ネガティブ”をプラスに変えていく髭は、今作で“正月ボケ”について語る。
髭は、年末までの人間は時間に追われ、役割に縛られ、効率を求めすぎているが、正月休みでそれらの過剰な縛りを解放するのだと言う。つまり、“正月ボケ”は人類が人間らしさを取り戻している状態だと説明し、もし“正月ボケ”がないと余裕がなくなり、人に優しくできなくなる、と続ける。
“正月ボケ”は、「強制的に作る世界規模の平和装置」とまで言う髭は、仕事始めにぼーっとしてしまった人々を、「素晴らしい」と肯定してくれるのだった。
作品を読んだ読者からは、「お正月休みだけでなく、人生においていえることだと思った」「これくらいポジティブ屁理屈いえるようになりたい笑」「刺さりまくり」など、反響の声が多く寄せられている。
■作者・B.B軍曹さん「人生は満点じゃなくてもいい」
――本作は夫婦のエッセイ漫画となっていますが、作品を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
最も大切にしているのは、「夫婦の会話」を正解の押しつけにしないことです。
夫婦って、模範解答みたいな綺麗ごとだけでは成立しなくて、もっと生活感のある、言い間違い、空気の読み違いみたいなものの積み重ねだと思っています。
だから私は、髭の言葉を説教にしないように気をつけています。元気づける言葉って、強すぎると人を置き去りにしてしまう。逆に、弱すぎると届かない。
その中間の「お守りみたいな言葉」を探す感覚で描いています。
あと、私自身が落ち込むタイプなので(笑)、落ち込む側の気持ちを雑に扱わないことも大事にしています。
「元気出して」で終わらせない。落ち込むには理由があるし、その理由って大体自分にとって大事なものがあるからなんですよね。
私はそこを、ちゃんと拾って、笑える形に翻訳して、読者さんの頭の片隅にでも置いてもらえたらいいなと思って描いています。
――本作を読んだ多くの読者から「ずっとこの人の話聞いてたい」「正月ボケしてもいいと思えました」「最高だ」などのコメントが寄せられました。B.B軍曹さんが本作に込めた想いをお聞かせください。
コメントを読むたびに、「ちゃんと届いてる」と胸が温かくなります。
この作品のみならず、B.B軍曹アカウント全てに通じる想いはすごくシンプルで、「人生は満点じゃなくてもいい」ということです。
私は、ちょっとしたことで落ち込みます。後からじわじわ自分反省会を開催したり、言い返せなかった自分に腹が立ったり、気にしすぎて疲れたり。
でも、そういう自分をダメとして処理すると、毎日が減点方式になってしまう。
髭は、私がマイナスに見てしまうものを、別の角度からさらっと言い換えてくれる人です。
ネガティブを完全に消すわけじゃなくて、「それはそう感じてもいい」と肯定したうえで、使える形に変えてくれる。
私にとってはその感覚が救いだったので、読者さんにも「正月ボケしてもいい」「今日はこのままでいい」って思える形を渡せたらいいなと思って描きました。
ずっとこの人の話聞いてたいと言っていただけたのは、髭の言葉がすごいというより、読者さんが「自分を責めない言葉」をずっと探していたんだと思います。
その言葉の置き場所として、この作品が機能してくれたなら、本当にうれしいです。
――2025年11月には『全てのネガティブをプラスに変える夫 髭「人生満点じゃなくてもはなまるだ」編』が発売されました。第3弾となるコミックスの見どころをお教えください。
第3弾の見どころは、ふわっとした優しさで終わらせずに、ちゃんと生活の中で使える形にしているところです。
人生満点じゃなくてもはなまるだって、言うのは簡単なんです。
でも現実は、仕事・家事・人間関係・自分の機嫌…毎日なにかしらの採点が走ってしまう。
その中で、「満点を狙わない」じゃなくて、「今の自分に出せる点で十分」という感覚を、髭の言葉と夫婦の掛け合いで、具体的な場面に落とし込んでいます。
読んだあとに残るのは、反省よりも回復です。
元気を注入するというより、力を抜く場所を作る。
「この程度で落ち込む自分、面倒だな」ではなく、「この程度でも落ち込むほど、自分はちゃんと頑張ってたんだな」と思える。
そういう見方の変換が詰まっているのが、第3弾の魅力だと思っています。
――B.B軍曹さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
今後は、漫画だけでなく「言葉」と「絵」を組み合わせた表現をもっと広げていきたいです。
その一つの試みとして、3月13〜15日に東京・表参道seeenというギャラリーで個展を開催します。
私の作品は、読んで終わりというより、読んだ言葉が日常に残って、ふとした瞬間に自分を助ける、みたいな存在でありたいと思っています。
目標は、ネガティブを無かったことにしない文化を作ることです。
ネガティブって敵扱いされがちですが、私は「ネガティブは、まだ翻訳されていない感情」だと思っています。
上手に翻訳できると、自己理解になったり、他人への優しさになったり、人生の選択の精度が上がったりする。
その翻訳の仕方を、漫画や言葉、展示や作品として、いろんな形で届けていきたいです。
――最後に読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも作品を読んでくださり、本当にありがとうございます。
コメントや感想って、簡単に書けるものではないと思うんです。時間も気持ちも使って、言葉にして渡してくれている。その事実に、何度も救われています。
この作品は、前向きになれない日を否定しません。
元気じゃない自分にも、はなまるをつけていい。
落ち込む自分にも、理由がある。
その理由はきっと、あなたが大事にしているものです。
どうか今日だけは、減点じゃなくて保留でいきましょう。
明日、少し元気になれたら、それだけで十分はなまるです。
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