フェラーリがフル電動スポーツカー最初のモデル名を発表!インテリア&インターフェースのデザインは?

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フェラーリがフル電動スポーツカー最初のモデル名を発表!インテリア&インターフェースのデザインは?

2月11日(水) 8:11

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2026年2月9日、フェラーリは、新しいフル電動スポーツカー「フェラーリ・ルーチェ」の車名と、インテリアおよびインターフェースのデザインを発表した。舞台に選ばれたのはサンフランシスコ。テクノロジーとデザインの世界的中心地として、最も革新的なUXとインターフェースが生まれてきた都市である。ここで公開されたのは、精密に設計された機械式のボタンやメーター、トグル、スイッチ類が、多機能デジタル・ディスプレイと組み合わされる、新しいインターフェースの主要コンポーネントだ。機能的で直感的な意思疎通と、刺激的なドライビング・エクスペリエンスを成立させるために、あらゆる要素が徹底的に検討されているという。

【画像】アナログとデジタルを徹底的に突き詰めた、フェラーリのフル電動スポーツカー「フェラーリ・ルーチェ」の車内(写真12点)

「ルーチェ」はイタリア語で「光」あるいは「照らすこと」を意味する。未来へ視線を向けるフェラーリの揺るぎない姿勢を象徴する名であり、同時にラインアップにおける重要性を示す新しい命名戦略の第一歩でもある。フェラーリは、この名前を単なる車名としてではなく「ビジョン」として位置づけ、ルーチェを”ひとつの技術”ではなく”哲学”と表現した。電動化は手段であり目的ではない。デザインとエンジニアリングと想像力が融合し、これまでにないものが誕生する時代の到来――その象徴としてのルーチェ、というわけだ。明快さとインスピレーションのシンボル、妥協のないビジョン、透明なデザイン、静かなエネルギー、機能から形作られたフォルム。そうしたキーワードとともに、フェラーリは新章の幕開けを宣言している。

このプロジェクトで特筆すべきは、サンフランシスコを拠点とするクリエイティブ集団「ラブフロム」の存在だ。デザイナーのジョニー・アイブとマーク・ニューソンが創設した同集団は、フェラーリ・ルーチェのデザインのあらゆる側面でフェラーリとコラボレーションし、5年にわたって共同で構想を進めてきたという。素材や人間工学、インターフェースから全体のユーザー・エクスペリエンスまで、常識に挑みながらディテールを再構築する――伝説的なフェラーリのヘリテージを守りつつ、未来に向けた表現を獲得するための選択。ラブフロムには、プロジェクトの方向性をゼロから定義する創造的自由が与えられ、分野を横断する新しいデザイン要素を、紛れもないフェラーリ体験へと昇華させたとされる。

キャビンは「単一のクリーンな空間」として構想された。シンプル化と合理化によってドライビングへの貢献を狙い、落ち着いた雰囲気で無駄のない広々とした環境を目指したという。ハードウェアとソフトウェアは一体で開発され、物理的アーキテクチャーとインターフェースの挙動が調和する。ビナクル、コントロール・パネル、センター・コンソールといった重要要素は自己完結型で、インプット(操作系)とアウトプット(ディスプレイ)を明確に分けている点も示されている。あらゆるコンポーネントを、さりげないのに明確な機能を持つものとして設計・開発し、統一感のある美意識と総合的な機能性によって、フェラーリをドライブする高揚感をいっそう高める。フェラーリとラブフロムが示すのは、そうした方向性だ。

素材選定と製造工程にもこだわりが貫かれている。耐久性と統一感を考慮し、精密機械加工に適したアルミニウムを多用。採用したのは100%再生由来のアルミニウム合金で、3軸あるいは5軸の最新CNC加工技術を用い、むくのビレットから精密に削り出してから最先端のアルマイト処理を施す。表面に極めて薄い膜を形成し、耐久性と硬度、繊細な手触りを得る。時間が経っても鮮やかさが衰えない深い色合いを狙った仕上げだ。ガラスは、視認性に優れ耐久性と耐傷性が高いとされるコーニング フュージョン 5 ガラスを使用し、精密に成形。現代的ながらもタイムレスな雰囲気を、選び抜かれた素材の力によって成立している。

インターフェースの設計思想は「触覚」と「明快さ」、そして「直感的な意思疎通」に重心が置かれた。電気自動車が大型タッチスクリーンに埋め尽くされるという常識を覆し、ルーチェでは触れて操作したくなる物理スイッチ類を優先。多くが機械式で、あらゆる操作をよりシンプルかつダイレクトにし、直感的で心地よい意思疎通へ導くという。整理の手がかりとして挙げられるのは、クラシック・スポーツカーとF1マシン。重要な機能のみに絞り込むことで、過剰な情報や操作に飲み込まれない環境を目指したとされる。

ステアリング・ホイールは、フェラーリのヘリテージへのオマージュと現代的技術を同居させる。採用されたシンプルな三本スポーク形状は、1950~60年代のナルディ製木製三本スポークを再解釈したそうだ。アルミニウム構造は意図的に露出させて強調し、100%再生由来のアルミニウムを使用。特別に開発された合金によって機械的耐久性を確保しつつ、アルマイト処理に適した滑らかな表面を実現した。CNC加工による19個のパーツで構成され、標準的なフェラーリのステアリング・ホイールより400g軽いとされる。スイッチ類は2つのアナログ・コントロール・モジュールに整理され、F1マシンのレイアウトを踏襲。各ボタンは機械的フィードバックと音のフィードバックが調和するよう、フェラーリのテストドライバーによる評価テストを20回以上重ねて開発された。

”始動の儀式”もルーチェの設計の一部となっている。ユニークな手触りのキーに触れるところから始まり、キーにもコーニング フュージョン 5 ガラスを採用。さらに、特別に開発された「Eインク」ディスプレイを備える。双安定性を利用し、色が変わるときだけ電力を消費する「Eインク」ディスプレイが自動車に採用されるのは初めてだ。センター・コンソールのドックにキーを挿入すると、キーが黄色から黒へと変化し、ガラス表面と一体化。コントロール・パネルとビナクルが同時に点灯し、静から動へ切り替わったことを告げ、期待を高める。機械仕掛けの精密さと、デジタルの演出。ここにも”光”の名を背負うモデルらしい演出が用意される。

ディスプレイは3つ。ドライバー・ビナクル、コントロール・パネル、リア用コントロール・パネルで構成され、わかりやすさと用途を考慮して入念にデザインされたという。インプット(操作系)とアウトプット(ディスプレイ)の整理にかなりの時間を割き、直感的で扱いやすいユーザー・エクスペリエンスを目指したそうだ。専用フォントも新たに用意され、歴史的なフェラーリのフォントとイタリアの図面用フォントを基にして作られたとされる。控えめなそのフォントが、インターフェース全体に統一感のあるアイデンティティを与える。

なかでもビナクルは、ステアリング・ホイールと共に動き、常に最適な視認性を維持してドライバー・パフォーマンスを支援する。ステアリング・コラムにインストゥルメント・クラスターを搭載するのはフェラーリの車種では初めてとのこと。重なり合った2枚の有機ELディスプレイを備え、明瞭なグラフィックと鮮明な色、無限のコントラストによって前例のない視認性を実現。さらに、超軽量・超薄型の有機ELパネルに3箇所の大きなカットアウトを設け、上部パネル裏の第2ディスプレイ情報を戦略的に表示して視覚的奥行きを作り出す。開口部は透明ガラスレンズで保護され、周囲をアルマイト処理アルミニウムのリングで囲む。細部に徹底的な注意を払った結果、サムソン・ディスプレイのエンジニアにも協力を要請したという。

コントロール・パネルはボールソケット形ジョイントで取り付けられ、ドライバーにもパッセンジャーにも向けられる。フェラーリのドライビングエクスペリエンスを高め、共有できる機能として位置づけられる点が興味深い。操作のためのハンドレストも設けられ、目を向けなくても無理なく直感的に扱えることを狙ったそうだ。さらに中央のディスプレイには「マルチグラフ」が組み込まれる。特許取得のムーブメントを備え、独立した3個のモーターが針を自律的に駆動。時計、クロノグラフ、コンパス、ローンチ・コントロールの4モードに切り替わり、移行アニメーションは最高級クロノグラフを思わせるという。時計製造の芸術性とテクノロジーを融合させ、フェラーリの伝統への敬意と、乗車体験の再解釈を同時に狙う装備だ。

グラフィック設計にも、一貫して”認知的負荷の低減”という発想が見える。クラシックカーに加え、ヘリコプターや飛行機といった航空業界の無駄のない明快なグラフィックをインスピレーション源とし、アナログメーターに似た親しみやすい外観を持ちながら内部は完全デジタル。ビナクルのグラフィックは、1950~60年代のヴェリアやイェーガーのメーターに着想し、腕時計のような読み取りやすさを目指したモダンでクリーンなレイアウトが生み出された。ひと目で理解できる情報提示によって、ドライバーは道路から注意をそらすことなく重要情報を素早く自然に得られる――その狙いが明言されている。

センター・コンソール周辺では、シフトにもコーニング フュージョン 5 ガラスが用いられる。機能的で強靭でエレガントな装備として紹介され、フェラーリの求める精度を達成するためにレーザーを用い、人間の毛髪の半分の幅の微小な穴をガラスに開け、そこにグラフィック用インクを落とすことで均一な仕上がりを実現したという。フュージョン5は一般的なガラスに比べ表面耐久性が高く、耐衝撃性・耐傷性にも優れ、コントロール・パネル、ビナクル、センター・コンソール表面にも使われる。

フェラーリはこの段階で、ルーチェを”支える技術”を2025年10月にマラネッロ本社内のEビルディングで公開すると予告している。そして最後となる発表は、エクステリアの公開も含め、2026年5月にイタリアで開催されるとのことだ。インテリアとインターフェースから始まる物語。名前に込めた「光」は、車両そのものの輪郭だけでなく、フェラーリが次の時代へ踏み出す姿勢を照らす意志表示として提示されたといえよう。
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