「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督が、全米監督組合(DGA)の会長に就任した。現役のトップ監督がDGA会長を務めるのは、1930年代の名匠フランク・キャプラ以来、約90年ぶりのことになる。しかも最新作「オデュッセイア」の公開を目前に控えた超多忙の時期だ。なぜ今、この大役を引き受けたのか。米デッドラインのインタビューで、ノーランがその理由を語っている。
「映画監督は孤独な仕事だ。他の監督と過ごす時間はあまりない」とノーランは言う。「DGAに来て、創作のことでもビジネスのことでも本音で語り合える。それは人生の中でとても有意義な経験だった」
ノーランのDGAとの関わりは長い。会長選に出馬するまでの10年間、全国理事を務め、スタジオとのAI活用をめぐる協議を担うAI委員会の委員長も経験している。会長就任の動機についてはこう語った。「業界の変化は周知の通りだ。作品の流通や制作のあり方が、この10〜15年、特にここ5年で大きく変わった。この激動の時期に、メンバーを代表する場で何か貢献できると思った」
スケジュールは過酷だ。DGAとスタジオ大手の労使交渉は5月に始まり、現行協約の期限は6月30日に迫っている。2023年の脚本家・俳優の大規模ストライキ以来、初の交渉となる。AI投資の急拡大、制作量の低迷、健康保険・年金制度の危機と、課題は山積している。そしてその約2週間後の7月17日には、ホメロスの叙事詩を全編IMAXで映像化した超大作「オデュッセイア」が全米公開を迎える。
それでもノーランは、現役の監督が組合を率いることに強い意義を感じている。「現役のメンバーがDGAを率いることには価値がある。だから腹をくくって、やり方を見つけるつもりだ」
ハリウッド最大級の超大作と業界の未来を左右する交渉。ノーランにとって、2026年は「孤独」とは無縁の1年になりそうだ。
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オデュッセイア
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Photo by Pascal Le Segretain/Getty Images