「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのゴア・バービンスキー監督が、約9年ぶりの新作「グッド・ラック・ハブ・ファン・ドント・ダイ(原題)」のプロモーション取材で、AIについて痛烈な持論を展開している。新作はAI超知能から世界を救おうとする男を描いたサム・ロックウェル主演のSFコメディだ。米ハリウッド・リポーターのインタビューで、バービンスキーはAIへの怒りを隠さなかった。
「なぜAIが曲を書いたり物語を語るのを手伝うんだ?」とバービンスキーは語気を強めた。「呼吸もセックスも代わりにしてほしくない。がんを治してくれよ。ブラックホールに何か送り込め。俺たちにできないことをやってくれ。溝を掘れ。やりたくないことをやってくれ。なぜ人間であるために必要なことを奪いに来るんだ」
テクノロジーそのものを否定しているわけではない。バービンスキーが問うているのはAIの使い道だ。人間にできないこと、人間がやりたくないことに使われるべき技術が、なぜ創作という人間の根幹を侵食しているのか——それが怒りの核心にある。
AIの急速な浸透にも警鐘を鳴らした。「今はAIの形成期だ。人間は自分たちの最悪の部分をソースコードに書き込んでいる」と指摘し、「AIが俺たちに何をしているのか、そして俺たちがAIに何をしているのか。その問いを誰も発していない」と続けた。AIチャットボットが子どもに自殺を促した事例にも触れ、「AIを当たり前のものにしようとする浸食は確実に広がっている」と警告している。
VFXの質の低下についても持論を展開した。自身の「パイレーツ」のVFXが現在の大作映画よりも優れて見えるという指摘に対し、バービンスキーはノーランの「ダークナイト」を引き合いに出しながら、光の物理法則を尊重するかどうかの差だと語った。CGであっても現実の光の反射や屈折を再現するこだわりが不可欠だという。予算上の理由で品質が妥協される風潮が広がっていることに、テクノロジーを使いこなしてきた監督として危機感をにじませた。
「グッド・ラック・ハブ・ファン・ドント・ダイ(原題)」は2月13日に全米公開される。
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Photo by Mark Sagliocco/Getty Images