2月9日(月) 4:40
大学生協などで販売される20万円のパソコンと、量販店で販売される10万円のパソコンの価格差は、どこから来るのでしょうか。
市場の10万円クラスのノートパソコンは、一般的に「メーカー保証1年」が標準で、落下や水ぬれといった「ユーザーの過失」による故障は対象外です。一方で、大学推奨モデルには以下の要素がパッケージ化されています。
1. 堅牢性の高いベースモデル(元々15~18万円程度の軽量で耐久性の高い機種)
2. 4年間のメーカー保証拡張(在学期間中の自然故障に対応)
3. 動産補償(落下・水ぬれなど過失による破損も修理対象)
4. 代替機の即日貸出(修理期間中も学習を継続できる体制)
市販品で同様の4年間保証を追加すると、2~4万円程度の追加費用が発生します。つまり、ハードウエア代金10万円+拡張保証3万円程度=13万円となり、大学推奨価格(20万円)との差額は7万円程度に縮まります。この差額をどう捉えるかが判断のポイントです。
「同じスペック」という言葉には注意が必要です。スペック比較で語られるのは「Intel Core i5」「メモリ16GB」といった主要パーツの性能ですが、運用コストを左右するのはスペック表に現れにくい要素でもあります。
例えば、10万円以下のモデルは本体重量が1.5~2キログラム近くあるケースが少なくないでしょう。毎日大学に持参する場合、1キログラムを超える端末は負担が大きくことが考えられます。この点、大学生協の推奨機には、1キログラム前後の軽量モデルが選定されています。
また、故障時の対応に関しては、液晶交換で2~6万円、キーボード交換では2~3万円以上の修理費が実費請求されるケースもあります。本体を10万円で購入しても、一度故障すれば総額は推奨モデルと同等以上になるかもしれません。差額は修理費用としてプールしておくなど、リスク管理が必要でしょう。
以上をふまえ、大学指定モデルと市販モデル、どちらのパソコンを選ぶべきかの判断基準を整理してみます。まず、大学指定(生協)モデルを購入すべき層は以下の場合です。
・パソコンのトラブルを自力で解決する自信がない場合
・4年間の総支出を固定化したい場合
・毎日パソコンを持ち歩く
自力でのトラブル解決に不安がある人にとって、学内の対面サポートは大きな安心材料です。また、初期投資こそかさみますが、予期せぬ修理費を防いで4年間の総支出を固定化できる点もメリットです。
特に、持ち運ぶ頻度が高くハイスペックのパソコンが必須となる理系学生などには、手厚い保険と性能が約束された指定モデルが合理的な選択肢となるでしょう。次に、市販モデル(10万円前後)で代用してもよい層は以下の場合です。
・ハードウエアの知識があり、トラブル対応ができる
・パソコンの持ち運び頻度が低い
トラブル時に自力や家族のサポートで対応できる環境にある場合や、持ち運ぶことが少なく落下リスク等が低い場合は、市販モデルで十分と言えます。
「20万円のパソコン」という価格だけを見ると驚きますが、それは「本体代金+4年分の修理費前払い(保険)+サポート人件費」のパッケージ価格であるとも言えます。
もし、自身でリスク管理やテクニカルサポートを担うのが難しい場合、20万円の大学指定モデルは4年間の安心を買う「必要経費」として、決して不当に高い金額ではないかもしれません。目先の価格だけでなく、4年間トータルでのコストとリスクを見据えて、どのパソコンを買うか判断することをおすすめします。
執筆者 : 南波喜憲
2級ファイナンシャルプランナー技能士
【関連記事】
ショッピングモールで「月1円でiPhoneが持てる」と勧誘されました。新品で「10万円」以上するはずですが、どうしてそんなに安く手に入るのでしょうか? 裏がありそうで怖いです…