2月8日(日) 21:00
厚生労働省は、在職老齢年金制度について、年金を受給しながら働く人のうち一定以上の報酬がある場合に年金の支給を調整する仕組みだと説明しています。現行制度では賃金と厚生年金の合計が月50万円を超えると、超えた分の半額が支給停止になる考え方が示されています。
また見直しにより、支給停止となる基準額を引き上げる方針が示されており、法律成立時点の額として62万円、2026年4月からは65万円になると案内されています。つまり、年金が減るかどうかは、働き方と賃金水準によって変わります。
判断は難しく見えますが、比べるのは次の二つです。年金が調整で減る金額と、働くことで増える手取りの金額です。支給停止は超えた分の半額という設計なので、年金が少し減っても給与が大きく増えるなら、家計全体ではプラスになりやすいです。
一方、年金が減らないように労働時間を抑えると、給与は減ります。短期的には年金が守れますが、働く時間を減らした結果、生活費が足りず貯蓄を取り崩すなら、長期では不利になり得ます。特に物価上昇が続く局面では、収入を自分で増やせる手段として就労が意味を持つこともあります。
年金優先で時間を抑える場合、注意したいのは「働けるうちに働いておく」という選択肢を手放してしまう点です。体調や介護などで急に働けなくなると、年金だけで生活する期間が想定より早く来ます。だからこそ、年金を守る目的で抑えるとしても、最低限の生活防衛資金ができているか、医療介護の予備費があるかは確認したいところです。
また、働き続けることで社会とのつながりが保てる、生活リズムが整うなど、お金以外のメリットもあります。逆に、体力を削って医療費が増えるような働き方は本末転倒です。最適解は「年金が減らない範囲」ではなく「健康を守りつつ家計がプラスになる範囲」に置くと判断しやすくなります。
再雇用で年金が減る可能性はありますが、在職老齢年金は賃金と年金の合計が一定額を超えた場合に調整される仕組みです。今後は基準額の引き上げも示されており、働いても調整が起きにくい人は増える可能性があります。
自分の給与水準でどの程度の調整が起きるかを把握し、年金の減少額より手取り増が大きいなら働く方が合理的です。反対に、健康や家庭事情で無理が出るなら、労働時間を抑えつつ支出の見直しでバランスを取るのが現実的です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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