2月8日(日) 0:40
電気は、発電に使う燃料(原油・LNG・石炭など)の価格や、円安・円高の影響を受けます。燃料が急に高くなったのに料金がずっと同じだと、電力会社の負担が一気に増え、安定供給にも影響が出かねません。
そこで、燃料価格の変動分を毎月の電気料金に自動で反映する仕組みとして、「燃料費調整制度」があります。資源エネルギー庁も、燃料の価格変動(為替も含む)を料金に反映する仕組みだと説明しています。
ここで大事なのは、燃料費調整額は「使った電気の量に応じて増減する(=1kWhあたり〇〇円)」という点です。電気を多く使う月ほど影響も大きく、逆に使用量を抑えれば調整額の負担も小さくなります。
燃料費調整額のもとになるのは、大まかに言うと次の差です。
(最近の燃料の平均価格)−(あらかじめ決めた基準の燃料価格)
公的には、原油・LNG・石炭の輸入価格(貿易統計など)をもとに、数ヶ月前の実績を使って「平均燃料価格(実績燃料価格)」を作り、それを基準燃料価格と比べて差を出す、という説明になっています。燃料費調整額の決まり方を理解するうえで、押さえるべき重要なポイントは以下の2つです。
1. タイムラグがあること
燃料費調整単価は、貿易統計にもとづく燃料価格の3ヶ月平均で計算され、さらに料金への反映までにタイムラグがあります。
結果として、来月の請求には3~5ヶ月前ごろの統計が反映されることが多く、“直近の燃料価格”そのものにはなりません。そのため、ある月に急に上がったように感じても、実際は少し前の燃料高が遅れて表れている場合があります。
2. 電力会社やプランによって単価が違うこと
基準燃料価格や、原油・LNG・石炭をどれくらい使っているか(燃料の構成比に近い考え方)で計算結果が変わるため、同じ月でも会社やプランで単価が異なります。
また、制度上は「反映できる上昇分に上限がある」とされるケースがあります(プランや契約の種類によって扱いが違うことがあります)。資源エネルギー庁の資料では、反映可能な範囲に上限を設ける説明があります。
明細で見るべき場所は、多くの場合、「燃料費調整額」または「燃料費調整単価」です。考え方はシンプルで、「燃料費調整額(円)= 燃料費調整単価(円/kWh)× 電力量(kWh)」計算できます。
例えば、燃料費調整単価がプラス2.0円/kWh で、使用量が 300kWh なら、燃料費調整額はプラス600円 になります。もし単価がマイナス1.0円/kWh なら マイナス300円 と、電気代が下がる方向に働きます。
「来月から増えます」という通知は、来月の単価が今月よりプラス方向に動く(またはマイナスが縮む)という意味です。さらに、国の支援策などが入る時期は、電力会社が公表する燃料費調整単価に値引き相当が織り込まれるため、見え方が変わる場合があります。
家計管理のコツは、明細の金額だけを見るより、単価(円/kWh)の推移を追うことです。単価は各社サイトで毎月公表されるので、「最近は上がりやすい局面なのか、落ち着いてきたのか」がつかめるでしょう。
燃料費調整額は、原油・LNG・石炭などの輸入価格や為替の影響を、数ヶ月のタイムラグをもって電気料金に反映する仕組みです。決まり方は「基準燃料価格」と「平均燃料価格」の差が基本で、会社やプランによって単価が変わります。
明細では「燃料費調整単価(円/kWh)」を見つけ、使用量を掛ければ自分の負担(または値引き)が計算できます。
仕組みが分かると、通知に振り回されにくくなりますし、単価が高い月は使用量を少し抑える、プランの条件(上限の有無など)を確認する、といった打ち手も取りやすくなります。数字の正体が見えれば、電気代は“対策できる家計項目”に変わっていくでしょう。
経済産業省 資源エネルギー庁 燃料費調整制度について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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