退職金を一括で受け取るか、企業年金として分割で受け取るか迷っています。税金や年金との兼ね合いを考えると、どちらが有利なのでしょうか?

退職金を一括で受け取るか、企業年金として分割で受け取るか迷っています。税金や年金との兼ね合いを考えると、どちらが有利なのでしょうか?

2月7日(土) 23:30

退職金は人生の大きなお金なので、受け取り方で迷うのは自然なことです。一括で受け取ればまとまった資金が手元に残り、住宅ローンの完済や老後資金の見通しが立てやすくなります。分割で受け取れば毎年の収入として安定し、使いすぎを防ぎやすい面があります。 さらに重要なのが税金です。退職金の一時金は退職所得として優遇があり、年金形式で受け取ると雑所得として課税されるのが一般的です。ここでは税制の基本と、判断のしかたを分かりやすくまとめます。

一括受け取りは退職所得の優遇が効きやすい

退職金を一時金で受け取ると、多くの場合は退職所得として扱われます。退職所得は、退職所得控除があり、さらに控除後の金額の2分の1を退職所得とする計算が原則です。
 
控除額は勤続年数が長いほど大きく、長年働いた人ほど税負担が軽くなりやすい仕組みです。実際の税額は退職金の金額や勤続年数、他の所得状況で変わりますが、制度としては一時金が税務上有利になりやすい設計になっています。
 
また、退職金は原則として他の所得と分けて税額を計算する分離課税の扱いが基本です。給与など他の所得と合算されにくいので、同じ金額を年金形式で受け取るより税率が上がりにくいケースがあります。
 
受け取り時に必要な書類を提出していれば、源泉徴収で税額が精算され、確定申告が不要になる場合が多い点も実務上のメリットです。
 

分割受け取りは毎年の課税と社会保険の影響を意識する

企業年金として分割で受け取る場合、受け取りは公的年金等に係る雑所得として課税されることが多くなります。雑所得は毎年の収入として扱われるため、他の所得と合算され、所得税や住民税の負担が増える可能性があります。
 
公的年金等には控除があり、一定条件では確定申告が不要となる場合もありますが、企業年金が上乗せされると、控除を超えて税負担が出やすくなります。
 
さらに、税金以外の影響として、住民税の増加により各種負担が増えることもあります。たとえば、所得に連動する負担が上がると、家計の手取り感が変わります。分割受け取りは手取りが毎年安定する反面、毎年の課税や負担を長く受け続ける形になるため、長期の見通しが必要です。
 

どちらが有利かは目的と家計の形で変わる

一般論としては、税制だけを見ると一括のほうが有利になりやすいです。ただし、実際の正解は人によって変わります。たとえば、退職後すぐに大きな支出がある人は、一括で受け取って資金を確保できるメリットが大きいです。
 
逆に、まとまったお金があると使いすぎが心配な人は、分割で生活費として受け取り、計画的に使うほうが安心かもしれません。
 
また、退職後に働く予定があるかどうかも重要です。退職後も給与所得があると、年金形式の受け取りが合算され、税率が上がることがあります。
 
一時金で受け取っておけば、その年の給与との関係を見ながら計画を立てやすい場合があります。現実的な進め方としては、会社から提示される一時金と年金の見込み額を受け取り、税引き後の手取りを試算することです。
 
あわせて、公的年金の見込み額も確認し、年金形式で受け取った場合の合計収入がどの水準になるかを見ると判断しやすくなります。制度や商品によって細部が異なるため、試算は勤務先の担当窓口や税理士、ファイナンシャルプランナーに相談すると精度が上がります。
 

まとめ税制の優遇と安心感のどちらを重視するかで選び方が変わる

退職金を一括で受け取ると、退職所得控除と2分の1計算などの優遇があり、税金面で有利になりやすいです。分割で受け取ると、毎年の収入として課税されやすく、公的年金との合算で負担が増える可能性があります。
 
一方で分割は収入が安定し、使い方をコントロールしやすい良さがあります。税引き後の手取りと生活設計を並べて試算し、自分にとって安心できる受け取り方を選ぶことが、老後の資金計画を前向きに進める近道になります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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