2月8日(日) 0:00
一定の条件を満たす場合、事業主は3歳に満たない子を養育する労働者に対して、短時間勤務制度を講じる必要があります。つまり、子育て中だけ時短があるのは、会社の好みで特別扱いしているというより、両立支援として位置づけられています。対象業務で代替が難しい場合でも、代替措置を用意する考え方が示されています。
独身側の不満は、時短そのものより、業務量や当番が増えるなど負担が偏るときに強くなります。時短の人が悪いわけではなく、仕事の切り分けと人員配置が追いついていないのが原因です。ここを放置すると、時短の人も気まずくなり、職場全体の生産性が落ちます。公平性の議論は、制度の是非より、負担をどう分散するかに移したほうが解決が早いです。
まず、時短の人が担当できる仕事とできない仕事を明確にします。次に、締切や品質が重要な仕事は、担当を二人にする、工程を分けるなど、属人化を減らします。加えて、独身側の負担が増えるなら、その分を評価や手当でどう扱うかも考える必要があります。重要なのは、誰かの善意で回さないことです。
また、子育て以外にも介護や治療など、時間制約が出ることはあります。制度を子育てだけに限定すると、将来の不満が増えます。
たとえば、限定的なテレワークや時差出勤、時間単位休暇など、使える選択肢を広げると、特定の人だけの制度だという印象が薄れます。もちろん全員に同じ制度を無条件に開放する必要はありませんが、利用条件を透明にし、相談窓口を整えるだけでも納得感は上がります。
社員の不満を小さくするには、「子育て中だけ特別扱いしている」という印象を減らすことです。そのために効くのが、制度の背景をきちんと説明することと、子育て以外の事情にも配慮できる選択肢を用意することです。
そして重要なのが、負担を可視化し、評価や配分で手当てすることです。たとえば当番が増える、突発対応が増える、締切前の山場を引き受けるなど、負担が増えているなら、それを「見えない善意」にしない工夫が必要です。
業務を棚卸しして、増えた作業を正式な担当として割り振る、ローテーションを組む、繁忙期だけ人員を補うなど、仕組みで吸収します。評価面でも、引き受けた調整役やフォローの貢献がきちんと反映されると、納得感は上がります。
子育て中の時短勤務は、法律に基づく両立支援の側面があり、単なる優遇と片づけるのは適切ではありません。ただし、公平性を守るには、しわ寄せが出ない業務設計と評価の工夫が欠かせません。業務の棚卸しとルールの見える化を進め、誰かの負担が固定化しない運用に変えていくことが、結果的に全員が働きやすい職場につながります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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