2月8日(日) 4:20
いわゆる「高校無償化」と呼ばれる制度の正式名称は、「高等学校等就学支援金制度」です。この制度は、高等学校等に通う生徒の経済的負担を軽減するため、国が授業料相当額の支援金を学校設置者に支給する仕組みです。支援金は、生徒や保護者に直接支給されるものではなく、授業料に充てられます。
近年は制度の見直しが進み、令和7年度は従来の「高等学校等就学支援金」に加え、年収約910万円以上世帯の高校生を対象とした「高校生等臨時支援金」が新設され、所得制限の一部が事実上撤廃されました。
また令和8年度以降も、私立高校等の加算額の上限引き上げなどが予定されており、より多くの世帯が支援対象となる方向で制度拡充が進められています。ただし、支援の対象となるのはあくまで「授業料」に限られます。
前述のとおり、高等学校等就学支援金制度で支援されるのは授業料相当額であり、入学金、教材費、施設設備費、修学旅行費、通学費、制服代などは支援の対象外です。これらの費用は、従来どおり保護者が負担する必要があります。
そのため、「授業料が支援される=高校生活にかかる費用がすべて不要になる」というわけではありません。高校進学後も、一定の教育費負担が続く点は理解しておく必要があります。
文部科学省が実施した「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立高等学校(全日制)に通う生徒の学校教育費は、授業料を含めて年間約35万2000円、私立高等学校(全日制)の学校教育費は約83万3000円とされています。
学校教育費には授業料だけでなく、入学金、学用品費、修学旅行費、通学関係費、学校納付金などが含まれていることが示されています。
授業料相当分が高等学校等就学支援金によって軽減された場合でも、それ以外の費目については家計負担が発生し、同調査によれば公立高校では約31万円、私立高校では約55万円が授業料以外でかかる可能性があります。
世帯年収400万円程度の家庭では、高等学校等就学支援金によって授業料相当分の負担は軽減される一方、授業料以外の学校教育費については引き続き家計で備える必要があります。前章で紹介したように、授業料を除いた学校教育費は、公立高校で年間おおむね30万円前後がひとつの目安とされています。
一方、私立高校の場合、授業料を除いた学校教育費が年間50万円台に及ぶケースも示されています。高等学校等就学支援金によって授業料負担が一定程度軽減されたとしても、授業料以外の費用については、公立高校よりも家計負担が大きくなる可能性があります。
これらを踏まえると、世帯年収400万円の場合、公立高校であれば3年間で合計90万円前後、私立高校を想定する場合には100万円を超える支出が生じることも想定しておく必要があります。さらに、こうした学校教育費に加えて、予備校や習い事などの学校外活動費が別途発生するケースもあります。
進学先や学習スタイルによって差が出るため、「高校は無償化される」という言葉だけにとらわれず、周辺費用も含めた資金計画を立てることが重要といえるでしょう。
「高校はタダになる」という表現は、高等学校等就学支援金制度によって授業料相当額が支援されることを指していると考えられます。しかし、文部科学省の「子供の学習費調査」が示すとおり、授業料以外にも学校教育費として一定の支出が発生します。
世帯年収400万円程度の家庭では、授業料負担が軽減されても、年間で30万円前後から50万円台、3年間で数十万円から100万円以上の費用を準備しておく必要があるでしょう。進学予定の学校が提示する費用を確認し、授業料以外の支出も含めて計画的に備えることが重要といえます。
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要 2 学校教育費 (4)高等学校(全日制)(11ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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来年、息子が「私立高校」に進学予定です。高校無償化制度の「所得制限」が撤廃されると聞いたのですが、どれくらい軽減されるのでしょうか?