2月7日(土) 4:10
国税庁の資料でも、名義にかかわらず、被相続人が資金を拠出していて被相続人の財産と認められるものは相続税の課税対象になると示されています。つまり、親の収入から積み立て、通帳や印鑑を親が持ち、子が贈与を受けた認識もないまま増えていた預金は、親の財産として扱われやすいです。
よくある誤解は、名義が子だから子の財産だろう、という考えです。税務では、実質的に誰の財産かが重視されます。名義預金と判断されるかどうかは、親が管理していたか、子が自由に引き出せたか、贈与として成立していたかなど、いくつかの材料を合わせて見られます。
贈与として成立していたと言うには、贈与した側だけでなく、受け取る側も贈与を受けた認識があり、実際に管理や処分ができる状態だったことが重要になります。
国税庁の裁決評釈でも、通帳や印鑑が相続開始時まで被相続人の管理下にあり、名義人が処分できる状況になかった場合には、贈与があったとはいえず相続税の対象と判断された事例が示されています。
逆に言えば、子が通帳と印鑑を管理し、贈与を受けたと理解していて、必要に応じて自分で使える状態だったなど、実態が伴えば、名義預金ではない説明がしやすくなります。ただし、過去の経緯を後から整えるのは難しいことも多いので、早めの確認が大切です。
まずは口座の一覧を作り、誰の資金で増えたのか、誰が管理しているのかを整理します。親が管理している子名義口座が複数あると、指摘されるリスクが上がります。
次に、贈与のつもりであったなら、その意思と受け取った認識が分かる形を残す工夫が必要です。毎年の贈与であれば贈与税の申告を含めた検討も絡みますし、単に名義だけ変えたような状態だと説明が弱くなります。
相続税や贈与税の基本的な手続きは国税庁の案内から確認できます。判断は個別事情で変わるため、口座の状態によっては税理士に早めに相談し、修正が必要かを見立ててもらうほうが安全です。
名義預金とみなされて相続税が高くなる可能性は、実際にあります。名義ではなく、お金の出どころと管理の実態で判断されるからです。相続が始まってからあわてないために、親名義以外の口座を棚卸しし、管理状況と経緯を整理しておきましょう。早めに手当てできれば、申告漏れの不安も減り、家族のトラブルも避けやすくなります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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