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2月6日(金)から浜辺美波×目黒蓮主演「ほどなく、お別れです」が公開されました。本作は「浜辺美波×目黒蓮のダブル主演作」ではありますが、まずは「目黒蓮が主演の一角を担っている」ことについて言及していきましょう。
この作品は、結構テレビなどで紹介されていた印象を個人的には持っています。
それは、やはり主演の1人である目黒蓮の人気の高さが背景にあって、番組などで取り上げると視聴者の食いつきが良いので初期の情報から大きめに扱っているのでしょう。
これは、次の目黒蓮主演作である4月29日公開作品「SAKAMOTO DAYS」でも同様の現象が起こっています。
なので、世の中の「作品の認知度」は高めになっていると感じています。
そのためヒットしやすい素地はできていると思います。
では、どのくらいのヒットになるのでしょうか?
まずは、本作の大きな舞台となるのは葬儀場で、亡くなった人をどのように送り出すのかを描いています。
そのため、納棺師の仕事を描いた「おくりびと」(2008年)が近い作品の1つにはあります。
「おくりびと」は、第81回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞するという快挙もあったりと、興行収入64.8億円という大ヒットを記録することができました。
それでは本作もリアリティーを追求した賞レース系の作品なのか、というと、それは違います。
本作は、浜辺美波が演じる女子大生が小さい頃から「霊が見えて、霊と話ができる」という、非常に変わった設定の上で成り立っている物語だからです。
一般的に「死生観」は人それぞれで、例えば「劇場版『鬼滅の刃』無限城編第一章猗窩座再来」において、上弦の鬼の童磨は「地獄や極楽は人間の妄想」「人間は死んだら無になるだけ」といった科学的な「死生観」を語っています。
ところが本作では、霊が存在することを前提に描いているので、作品の「死生観」も、その方向で描かれていくのです。
そのため、作品の世界観にどこまで入り込めるのかによって感想が大きく変わりそうです。
試写室では泣いているような雰囲気の人もいましたし、ベースは「泣ける系」の映画なのだと思います。
その一方で「鬼滅の刃」の童磨のように科学的な「死生観」を持ちながら本作を見ると、「どうして4歳で亡くなった子供の霊はいつまでも4歳のままなのだろうか?」と、「死者の霊は変化しない論の不思議さ」や、「亡くなった時点での姿」のままでしか存在できないのであれば、「歩道橋から落ちたり、交通事故で亡くなっていたら、その霊の姿は血みどろになっていないとおかしいのでは?」など、映像上の違和感を覚えたりもするのでしょう。
このように、「死生観」が大きく関係する作品は意外と映像化しにくい面も見え隠れします。
とはいえ、この手の作品は「ツナグ」(2012年)の興行収入16.6億円など、意外と底堅い印象があります。
しかも、目黒蓮の注目度を踏まえると、決してハズさないように思えます。
前作の「トリリオンゲーム」(2025年)は、個人的にはハマることができなかったのですが、公開3日間の興行収入が6億1600万円と初速が非常に強く、最終的に興行収入20億5000万円となり20億円を突破しました。
本作は前作のような連ドラ映画ではないため作品自体のファンが少ないので、「泣ける映画」といった口コミがどこまで広がるのかで成否が分かれそうです。
制作費は、それほどかかっていないようにも見えるので3.5億円くらいだと想定されます。意外な支出があったとしても最大4億円といったところでしょうか。
宣伝などのP&A費を2.5億円とすると、劇場公開だけでリクープするには、興行収入15億1500万円(制作費3.5億円の場合)〜16億4000万円(制作費4億円の場合)が必要となりますが、このラインは突破できそうな雰囲気を感じます。
メインキャストが目黒蓮でなければ、本作の興行収入は10億円辺りで終わる気がしますが、果たしてどこまで伸びるのでしょうか?
キャストで観客を呼べると思える非常に稀な存在なので、最終的にどこまでブランド価値を高められるのか大いに注目したいと思います。
【作品情報】
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ほどなく、お別れです
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(C)2026「ほどなく、お別れです」製作委員会