2月5日(木) 22:10
介護を必要とする方のための公的な施設(介護保険施設)には、「介護老人福祉施設(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「介護医療院」の3種類があります。
特養は、原則として要介護3以上の方が入居可能で、介護や日常生活の世話などを受けることができる生活施設です。入所期間に制限はありません。
老健は、要介護1以上の方が、在宅復帰を目的にリハビリ等を行う施設です。入所期間は3~6ヶ月程度です。
介護医療院は、要介護1以上の方が、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を受けることができる施設です。
これら公的施設は、介護付き有料老人ホームなどの民間の高齢者施設に比べると、費用が比較的安価なので人気です。また、施設サービスは要介護の方だけが利用でき、要支援の方は利用できないので注意しましょう。
介護医療院は、長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ要介護者に対して、長期療養のための医療と介護を一体的に提供する点が、他の介護保険施設にない特長です。要介護1以上の方が入所できますが、主に要介護3以上の方が入所しています。
医療に重点が置かれ、医師、看護師が常駐しており、薬剤師、理学療法士などのリハビリ専門職、栄養士などの職員もいます。また、病院と同じように療養室、診察室、処置室、機能訓練室などがあります。また、談話室、食堂、レクリエーション・ルームなども設置されています。
介護医療院には、I型とII型の2種類があります。I型介護医療院は、介護療養病床相当の施設で、重篤な疾患のある要介護者を対象としています。II型介護医療院は、老人保健施設相当以上の施設で、I型より比較的容体が安定した要介護者を対象としています。
介護医療院の利用料は、施設の種類(I型・II型)、部屋のタイプ(従来型個室・従来型多床室・ユニット型個室)・要介護度によって異なります。
例えば、要介護3の方がユニット型個室を利用する場合、1日あたりの施設サービス費(利用者負担1割の場合)はI型介護医療院では1168円、II型介護医療院では1142円となっています。
なお、施設サービス費のほかに居住費・食費・日常生活費などがかかります(実費)。これらも含めると、介護医療院の利用料は、一般的に月額10~20万円程度になります。
介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)やショートステイを利用した場合、施設サービス費(利用者負担は1~3割)のほかに居住費・食費・日常生活費など実費(10割負担)でかかります。
施設サービス費の利用者負担(1~3割)の軽減措置として、世帯の収入ごとに定められている負担限度額を超えた場合、超えた分を申請により取り戻すことができる「高額介護サービス費」があります。
また、居住費・食費の軽減措置として、住民税非課税(資産要件もあり)の方に対して補助(補足給付)があります。特定入所者介護サービス費(補足給付)の支給を受けるためには、市区町村の介護保険窓口に申請し、「介護保険負担額認定証」の交付を受け、この認定証を施設に提示することが必要です。
医療費控除は、自分や家族の分も含めて、1年間に支払った医療費のうち原則10万円を超える分を、確定申告により所得控除できる制度です。医療費控除は、介護保険サービスのうち、訪問看護、通所リハビリ、居宅療養管理指導など医療系サービスに対して支払った費用が対象です。
また、意外と知られていませんが、施設サービスの対価も医療費控除できます。特養は、施設サービスの対価(介護費、食費および居住費)に係る自己負担額として支払った金額の2分の1に相当する金額が控除できます。老健および介護医療院は、施設サービスの対価(介護費、食費および居住費)に係る自己負担額として支払った金額が控除できます。
介護医療院は、長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ要介護1以上の高齢者を対象とした介護保険施設です。医師・看護師が常駐しているので、重篤な患者の方でも安心して長期入院でき、見取りの対応もできます。
また、理学療法士・作業療法士も配置されているのでリハビリも受けられます。介護医療院は、医療的ケアが必要なため特養や有料老人ホームから断られた方に向いているので、検討してみましょう。
厚生労働省 介護医療院について
国税庁 No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価
執筆者 : 新美昌也
ファイナンシャル・プランナー
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