たとえばブログやウェブ広告の文字。フォントによって柔らかいイメージが出たり、硬派な印象を与えたり、同じ文章を流す文字でも、その視認性や読む人が受ける印象はフォントによってかなり異なる。大日本印刷(東京)は、活版印刷と本づくりをテーマにした文化施設
「市谷の杜(いちがやのもり)本と活字館」
(東京都新宿区)で、企画展「明朝体」を2月21日(土)~5月31日(日)に開催する。入場無料。
まっすぐな横画の右端に小さな三角形の「ウロコ」をもつ漢字や、毛筆の動きを思わせるハライやハネを残すひらがなやカタカナ。活字として整えられた「明朝体」は、“少し真面目で硬い印象もある”と言われるが、書籍の本文を中心に多種多様な印刷物に用いられている。
英数字や記号に加えて、日本語には漢字・ひらがな・カタカナなどがあり、書体を1セットつくるだけで多くの文字が必要になる。特に本文で使われる明朝体などの書体は、2~3万種類もの文字を統一感を保って設計・制作する必要があるという。時代で変わる人々のニーズにも応え、多くの職人や書体デザイナーが読みやすさと独自性のバランスを考えながら、さまざまな明朝体を生み出してきた。
企画展では、日常的になじみがある明朝体について、“二大潮流”とされる築地体・秀英体の誕生や、アナログからデジタルへの変遷など、1世紀半以上にわたる明朝体の歩みを時代をさかのぼりながら紹介する。ふだん意識することの少ない文字の背景に広がる、その奥行きと歴史の重なりを堪能できる。開館時間は10時~18時。月・火休館(祝日の場合開館)。
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