ゲームやスマホの使い方で親子で争いになったことはありませんか?
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「もうやめなさい」「あと5分って言ったでしょ」。そんなやり取りに疲れてしまう保護者の方も少なくないはずです。
子どもの精神科看護師である「こど看」さんによると、子どもがルールを守れないのは特別なことではなく、ごく自然なこと。
さらにゲームやSNSは、子どもにとって単なる遊びではなく、心のバランスを保つための大切な場所になっている場合もあるそうです。
子どもが夢中になるゲーム・スマホ・SNSに対して、親ができる関わりとは? こど看さんが教えてくださいます。
※本記事はこど看著の書籍『児童精神科の看護師が伝える 10代のこわれやすいこころの包みかた』から一部抜粋・編集しました。
■ゲーム・スマホをやめられないのは当たり前
「子どもが1日1時間のゲーム時間を守らない」「一日中スマホばかり見ている」「SNSでどんな人と交流しているか心配」。
10代のお子さんをお持ちの保護者の中で、「ゲーム・スマホ・SNS」との付き合い方に悩んだことがないという方のほうが珍しいかもしれません。
お子さんがルールを守れない姿を見ると、「意思が弱いのかな」「こんなに夢中にさせるゲームやスマホが悪い」「SNSをやめさせたほうがよいのでは」など、つい犯人探しをしたり、「取り上げる、やめさせる」などの極端な対応をとりたくなったりするかもしれませんが、私はいずれもおすすめしていません。
そもそもゲームもスマホもSNSも、大人でもやめるのが難しいくらい魅力的なものです。「あと1話だけ…」と思いながら外が明るくなるまで配信ドラマを見続けてしまった経験がある方もいるのではないでしょうか(少なくとも私はあります)。
大人でさえ自分との約束を守れないのに、子どもが「おしまいにする」ことはできなくて当然です。
■大人のほうから「理解の差」を埋める
では、ゲームやスマホを取り上げることなく、うまく付き合っていくためにはどうすればよいのでしょうか。
私がおすすめしたいのは、まず「子どもが興味を持っていることを知ろうとする」ことです。子どもはどんなゲームが好きなのか、そのゲームはどこがおもしろいのか、どんなSNSが流行っているのか。
私たちが子どもの頃と今ではデジタル環境に大きな違いがあり、ゲームについても遊び方や人とのつながり方が大きく変わりました。そのため、現代のゲーム事情やSNSについて親子で「理解の差」があるまま子どもにルールを守らせようとしても、なかなかうまくいかないかもしれません。
また、子どもが好きなものを知ることで「共通言語」ができ、子どもにとっても何かあったときに相談しやすくなります。
何かに「課金をしたい」と言われた場合も、頭ごなしに否定するのではなく、「どんなものに、なぜ課金したいのか」というふうに、真剣な相談として聞くのはとても大事な姿勢です。そこには子どもなりの意味や願いが必ずあるものです。
■ゲームをすることで自分を保とうとする子もいる
ゲームやスマホ、SNSが子どもにとってどんな意味があるか、「それをすることで子どもはどうなりたいのか」を子どもの目線で考えてみると、今まで見えていなかったことが見えてくることがあります。
例えば子どもがゲームやSNSに没頭する背景には、現実の中に苦しさを抱えていたり、居場所がないと感じるからこそ、バーチャルな世界に居場所を見出し、心を保とうとしている場合があります。
たとえ家庭が円満でも、家族と距離を取りたいと思うことはありますし、学校生活がいつもうまくいくとは限りません。家庭でも学校でも、「子ども」「児童・生徒」「クラスの一員」など、求められる役割やキャラクターはあるものです。
そんなとき、SNSやオンラインゲームといったバーチャルな世界では、日常の縛りからは少し離れてありのままの自分として交流できることがあります。たとえ画面越しでも、人とのつながりや安心を感じたり、自分を表現できたりするのであれば、それは立派な居場所と言えるのです。
■子どものコントロール力を高める「ルール作り」とは
そうした事実を踏まえた上で、ゲームやスマホについては「守れないルール」ではなく「守れるルール」を設定し、子どもが「守れた」と思える経験を積み重ねていくのがおすすめです。
ルールは子どもを縛るためではなく、子どもが自分でコントロールができるようになっていくための大切な土台です。
もし今ルールを守れていないなら、お子さんと話し合って現実的なルールに修正していきましょう。ルールは一度つくったら終わりではなく、必要に応じて何度も見直し、子どもが小さな約束を守れる経験を重ねることが大事です。
この積み重ねがやがて自己コントロール力を育み、その結果として依存や嗜癖の予防につながっていくのです。
文=杉本透子
【著者プロフィール】
こど看
精神科認定看護師。精神科単科の病院の児童思春期精神科病棟に10年以上勤める。現在も看護師として病棟勤務しながら、「子どもとのかかわりを豊かにするための考え方」をXやYouTubeなどSNSで精力的に発信中。著書に『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』がある。一児の父。
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