2月5日(木) 4:40
遺族年金とは、生計を維持していた人が亡くなった場合に、遺族が受け取れる年金のことです。
一定の受給要件はありますが、表題のケースでは、夫の死亡時に妻は遺族年金を受け取れる場合が多いでしょう。そのため、実際には母(妻)の年金「6万円」に加えて、父(夫)の遺族年金を日々の生活費に充てられる可能性があります。
日本の年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての人が対象となる「国民年金」と、会社員などが対象となる「厚生年金」の2階建てとなっています。遺族年金も同様に、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2階建てであり、亡くなった人の職業や年金の加入状況によって、もらえる金額や対象者が異なります。
遺族基礎年金は、以下のいずれかの条件に当てはまる人が死亡した場合に支給される年金です。
・国民年金の被保険者である間に死亡したとき
・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の人で、日本国内に住所を有していた人が死亡したとき
・老齢基礎年金の受給権者であった人が死亡したとき
・老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡したとき
なお、遺族基礎年金を受け取れるのは、「子のある配偶者」または「子」のみです。ここでいう「子」とは、18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人を指します。
そのため、表題のケースでは、子どもである質問者、または兄弟姉妹の年齢・状況によっては、遺族基礎年金は受け取れない可能性があるでしょう。
遺族厚生年金は、以下のいずれかの条件に当てはまる人が死亡した場合に支給される年金です。
・厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
・厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
・1級、2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている人が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給権者であった人が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給資格を満たした人が死亡したとき
表題のケースでは、夫婦それぞれの年金支給金額から、夫は厚生年金に加入していたと予想できます。その場合、夫の死亡後、妻は厚生年金を受け取ることが可能です。
なお、遺族厚生年金の支給額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の「4分の3」です。仮に、夫の年金16万円(22万円-6万円)が全額報酬比例部分だとすると、遺族厚生年金は「16万円×3/4=12万円」となります。
すなわち、表題のケースで遺族厚生年金を受け取れた場合、遺(のこ)された妻が受け取れる年金額は「6万円(自分の基礎年金)+12万円(夫の遺族厚生年金)=18万円」になると考えられます。
総務省の「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は14万9286円です。夫の死亡後の年金額が18万円の場合、ぜいたくはできませんが、日々の生活にはそれほど困らないでしょう。
日々の生活には困らなくても、入院や手術、家具家電の買い換えなど、突発的な出費までを年金だけで賄うのは難しいかもしれません。
また、持ち家の場合、住居費の心配はありませんが、いずれ独居が難しくなる可能性もあります。将来的な介護サービスの利用や、施設入居も視野に入れながら、老後の生活をシミュレーションすることが大切です。
介護施設の費用は立地などによって異なるため、あらかじめ周辺エリアの相場を調べておくと計画を立てやすいでしょう。もしもの場合は、本人の希望も聞いた上で、家族全員が納得できる選択肢をとることが重要です。
互いに年金受給者である夫に先立たれた場合、妻には遺族年金が支給される可能性があります。仮に、支給されるのが遺族厚生年金のみであっても、妻本人の老齢年金と合わせれば、生活にはそれほど困らないケースもあるでしょう。
ただし、突発的な出費や、介護施設の入居費用などまでは賄えないことも考えられるため、老後の生活を具体的にシミュレーションすることが大切です。
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
総務省 家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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