岡慎之助が体操界の「謎のジンクス」に言及太田海也が解説する競輪・自転車競技の魅力にも興味津々

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岡慎之助が体操界の「謎のジンクス」に言及太田海也が解説する競輪・自転車競技の魅力にも興味津々

2月5日(木) 9:40

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同郷でともにロサンゼルスオリンピックを目指す、太田海也(左)と岡慎之助(右)photo by Noto Sunao(a presto)

同郷でともにロサンゼルスオリンピックを目指す、太田海也(左)と岡慎之助(右)photo by Noto Sunao(a presto)



太田海也×岡慎之助スペシャル対談 後編

スペシャル対談の前編・中編では、パリオリンピックからここまでの歩みを中心に語り合った、自転車競技&競輪の太田海也と体操の岡慎之助。この後編ではそれぞれの競技の魅力と、次なる大舞台・ロサンゼルスオリンピックへの思いを聞いた。

【めっちゃ気持ちいい着地音】 ――自転車競技の魅力はどんなところにあるのか、岡選手に伝えていただけますか。

太田 自転車競技の短距離には、チームスプリント、スプリント、ケイリンの3つの種目があります。そのなかでスプリントは1対1で戦うもので、お互いにらみ合いながらどっちが先に仕掛けるか、スパートするかというレース。まさに力と力の戦いで、最強の選手を決めるという種目です。

ケイリンは6人で戦うレースなんですが、そのなかで多くの駆け引きがあって、頭脳戦といった種目。ただスプリントと違って絶対王者が毎回勝てるわけではなくて、そんなに強くなくても勝てる時がある。スプリントは力の戦い、ケイリンは頭脳の戦いという違いがあって、その違いを見るのは面白いと思いますね。

ケイリンは時々見ますね。

太田 ケイリンはめっちゃ邪魔してくる選手がいたり、変な動きをする選手がいたりするので、そこを見るのは面白いと思います。体操はどんな魅力がありますか。

体操はいろんな選手がいるんですよ。たとえば癖が強い選手とか(笑)。

太田 そうなんですね。見ているだけだとわからなかった。

日本の体操って"美しい体操"というイメージがあるじゃないですか。僕の場合は、基本に忠実でしなやかに動くタイプなんですが、海外の選手は美しさには欠けるんですけど、めっちゃ大きい技や派手な技を連発する選手がいる(笑)。

太田 ちなみにどの国の選手に多いんですか。

アメリカの選手が多いですね。日本選手はひねりが多いんですけど、アメリカは「とにかく回れ」「どんどん技を見せろ」という感じ。それだと美しさに欠けるからそんなに評価もされないんですね。体操はやっぱり美しいほうがトップに立てるので。ただ単純にすごいなとは思います。

太田 女子アメリカ代表のシモーネ・バイルズ選手(※1)もそっちのタイプですか。

※1パリオリンピックで団体総合、個人総合、跳馬で金メダルを獲得した女子体操界の女王

いや、何回も大技をやるんですけど、きれいなんですよ。その他のアメリカの女子選手も大技をやるんですけど、めっちゃきれい。女子はアメリカがトップですね。アメリカは体操人口も多いので、極めた者だけがオリンピックの舞台に立てる、そんなイメージですね。

太田 本当に面白そう。今度注目してみます。

あと見どころは着地ですかね。それは練習よりもやっぱり試合でしか伝わらない気がします。着地が決まった時の「ドンッ」という音。僕がケガをして体操を外から見ていた時に、一番心に残っているのが着地の音で、それがすごく気持ちいい(笑)。

太田 自分がやっていても気持ちいいんですか。

めっちゃ気持ちいいです。「うわ、来た」となります。

太田 1歩でも動くと気持ちよくはない?

「あ~、失敗した」となります。1歩でもその感覚はありますね。

太田 着地する前に、「これはもう決まる」とわかるものですか。

わかります。「この軌道だったら止まるな」と。着地が決まると、「やっぱりそうだ」と思いますね。

太田 面白いですね。見ている側が勝手に盛り上がっているのかと思っていたら、選手も楽しんでいるんですね。

【謎のジンクスを守りきりたい】 ――自転車競技も体操もまさにここから今シーズンが始まりますが、今年重要視している大会とそれに向けた意気込み、目標を教えてください。

太田 (10月14日からの)世界選手権を一番重要視しています。その前にワールドカップ(※2)に2戦出場すると思うので、そこでどれだけ世界のトップと戦えるかを確かめて、世界選手権を迎えられたらいいなと思います。

※2ワールドカップ第1戦が3月6~8日@オーストラリア、第2戦が4月17日~19日@香港、第3戦が4月24~26日@マレーシア

今シーズンは僕もワールドカップからスタートします。どちらかというと僕はオールラウンダーで満遍なくこなすタイプなんですが、種目別には猛者たちがたくさんいて、その種目別の猛者たちにどれだけ食いつけるかというところですね。

それが4月、5月の選考会(※3)につながっていって、アジア大会と世界選手権(※4)を迎えたいです。2025年のリベンジはやはり世界選手権で果たしたいと思っていますので、アジア大会、世界選手権で団体、個人、平行棒、鉄棒で金メダル獲得を目標に頑張りたいですね。

※34月16~19日 全日本体操個人総合選手権、5月14~17日 NHK杯体操

※46月18~21日 アジア体操競技選手権大会、10月17~25日 世界体操競技選手権大会

2年後のオリンピックに向け歩み続ける岡photo by AFLO

2年後のオリンピックに向け歩み続ける岡photo by AFLO



――次のロサンゼルスオリンピックに向けてはどのような思いがありますか。

太田 2024年のネーションズカップで金メダルを3個獲ってパリオリンピックに行ったんですが、結局メダルをひとつも獲れませんでした。オリンピックは特別な舞台なんですが、そこで戦い抜くためには、その大舞台に照準を合わせる力が必要です。そのため今シーズンはシミュレーションとして大会をひとつ設定し、照準を合わせる力を養いたいです。その力をつけてロサンゼルスオリンピックに向かっていきたいなと思っています。

おそらく今年、オリンピックの出場権を獲れると思うので、まずはそこで確実に獲ることが重要だと思います。体操界では、"オリンピックの前年の世界選手権で金メダルを獲ったらオリンピックでも金メダルを獲れる"という謎のジンクスがあるので、そこは守りきりたいなと思っています。それでロスに繋げていきたいですね。

それから今は下の年代の選手たちのレベルも高くなってきて、一緒に練習している選手たちも力をつけてきているので、自分も負けないようにしたいと思います。きっと彼らとはロスでも一緒に戦っていくと思うので、全員で力を合わせてメダルを獲れるように頑張りたいと思います。

【GⅠタイトルを獲りたい】 ――最後に将来的な目標を教えてください。

太田 そうですね。オリンピックでメダルを獲りたいという気持ちもありますが、それと同じくらい、日本の競輪のGⅠでタイトルを獲りたいという気持ちもすごくあります。どちらも同じくらい強い思いを持っています。

GⅠの優勝ってどのくらいすごいんですか。ガチの猛者がいるとか。

太田 レベルの高さで言ったらオリンピックの選手かもしれないですが、日本の競輪もすごく価値があります。日本でやっている競輪は、地域同士で連携したりするチーム戦でありながらも個人戦であって、チームで勝利を目指しつつ、最終コーナーから個人として勝負するみたいなイメージです。

僕は先輩選手の前を走って引っ張る立場なんですけど、自分の後ろにいる選手は、マリオカートでいうところの"バナナ"みたいな感じで、後ろから来た他の地域の選手を「バーン」って弾いたりしてくれるんですよ。だからめっちゃ助けられています。GⅠは優勝賞金が数千万円にもなるから、最後は目の色を変えて必死に1着を目指すので、そこも見どころですね。

競輪界では若手をけん引する存在の太田photo by Takahashi Manabu

競輪界では若手をけん引する存在の太田photo by Takahashi Manabu



そんな賞金をもらえるなら欲が出そうですね(笑)。

太田 ただ、欲が出れば出るほど負けるんですよ、日本の競輪は。

面白いですね。

――では岡選手の将来的な目標を教えてください。

まずはロスで四冠(団体総合、個人総合、平行棒、鉄棒で金メダル)を達成すること。あとは体操人口も増えてほしいので、自分をきっかけに体操を始めてくれる人が増えればいいなと思います。自分の体操を見て、「こんな体操がしたい」と思われるような体操をすることが目標です。とにかく今は体操を極めたいですね。

対談 前編はこちら>>

【Profile】

太田海也(おおた・かいや)

1999年7月27日生まれ、岡山県岡山市出身。高校時代はボート競技で活躍し、全国高等学校総合体育大会で優勝するなどし、U-19代表に選出される。大学でもボートを続けるが、19歳で自転車競技に転身。2021年に日本競輪選手養成所に入所し、早期卒業を果たした。2022年1月に競輪でデビューし、8月にはS級2班に特別昇級。同年からナショナルチーム入りし、数々の国際大会に出場。2024年にはネーションズカップで優勝するなど好成績を残し、パリ五輪の代表入り。本大会では3種目に出場した。

岡慎之助(おか・しんのすけ)

2003年10月31日生まれ、岡山県岡山市出身。4歳からおかやまジュニア体操スクールで体操を始め、高校から徳洲会体操クラブに所属。2019年には世界ジュニア体操競技選手権で金メダル2個を含む4個のメダルを獲得するなど、将来を嘱望される選手となる。2022年に右膝前十字靱帯断裂の大ケガを負うも、2024年5月のNHK杯の個人総合で初優勝を飾り、パリ五輪の出場権を獲得。本大会では団体総合、個人総合、鉄棒で金メダル、平行棒で銅メダルを獲得した。



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