2月4日(水) 5:30
5歳であれば、十分に立て直しが可能です。教育費づくりで本当に厳しくなるのは、高校・大学進学期ですが、そこに至るまでにはまだ10年以上あります。
しかし、計画を立てずに「一気に貯めよう」と焦ってばかりいると、失敗を繰り返すことになりかねません。1年を通じたお金の流れを整理し、毎年同じ行動を繰り返す仕組みをつくって計画的に準備しましょう。
まずは、教育費の波を抑えましょう。幼児期~小学校までは比較的穏やかですが、中学・高校・大学で大きく上昇します。文部科学省の調査でも、大学までの教育費は進路によって大きく異なりますが、まとまった資金が必要になるのはおおむね後半であることが示されています。
したがって、「今、貯金ゼロ」という事実よりも、これから毎年いくら準備できるかが重要です。そのために役立つのが、「年間スケジュール」で考える方法です。
初年度の基本的な年間スケジュールは以下のとおりです。
(1)1~3月:家計の現状を確認する
前年の支出を振り返り、「毎月必ず出ていくお金」と「調整できるお金」を分けます。この段階ではまだ貯金額を決めるのではなく、現実を把握します。
(2)4月:教育費専用口座をつくる
最初は、少額(1万円程度)でも大丈夫です。教育費用として使うお金を、生活費と分けて、「教育費には手をつけない」という仕組みをつくりましょう。
(3)6月:住民税額を確認し、無理のない積立額に調整
住民税が確定する時期なので、教育費の積み立て可能枠が分かります。これ以前に無理に積立額を大きく見積もってしまうと、夏以降に挫折しやすくなります。
(4)10月:積み立ての見直し
ボーナスや収支の変化を確認し、増やせそうなら少し増額。増やせない場合でも最低限、維持しましょう。
(5)12月:年間の振り返り
「できた、できなかった」ではなく、「続けられたか、厳しかったか、挫折したか」を評価します。それぞれ理由を振り返って、翌年以降の積立額の増額か、現状維持かを検討します。
教育費が貯められない家庭に共通するのは、「余ったら貯める」という考え方で、「お金」を分けていないことです。収入が余る月は、基本的にはありません。だからこそ、あらかじめ「枠」を設定しておくことが重要となります。
枠の設定で心掛けることは金額よりもタイミングで、「給与が入った直後」に教育費口座へ自動で移す設定をしておきます。
お金の使い道を分ける設定に慣れてくれば、次のステップとして教育費の用意する選択肢を広げてみましょう。教育費は、すべて預貯金で用意する必要はありません。10年以上先に使うお金なので、リスクを抑えた積み立て運用を併用する選択肢もあります。ただし、あくまでも生活資金を確保した後に検討しましょう。
5歳で教育費の貯金がゼロでも、焦る必要はありません。「教育費のピークが来ることを見据えて、毎年同じ年間スケジュールで行動できるかどうかが重要となります。
急いで貯めて安心したいからと、無理な積立額を設定して挫折するのはNGです。お金を貯めるという行動において、初心者からプロまでどんな人にでも等しく使える最大の手段は「時間を味方につける」ことです。
教育費を貯めるには、「継続する」ことが最大の成功要因です。教育費づくりは、家計管理の延長線にあります。まずは1年を設計し、それを毎年繰り返すという地味な積み重ねが最も大事な取り組みです。
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者
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