2月4日(水) 6:10
産休に入り、現在は給与収入がない、あるいは大きく減っているのに、市から住民税の納付書が届くと「なぜ今払わなければならないの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
結論からいうと、住民税は「今の収入」ではなく「前年の収入」に基づいて課税される税金だからです。そのため、産休・育休に入って収入が減っても、前年に一定の収入があれば、翌年に住民税の支払いが発生します。
住民税(市町村民税・都道府県民税)の納付について整理しておきましょう。
前年1月1日~12月31日に発生した所得については、その年の1月1日に住民登録のある自治体の基準で課税額が決まります。このルールは、総務省が定める地方税制度に基づいており、全国共通です。
例えば、2024年に会社員として働いて給与を得ていて、2025年1月に東京都に住民登録があれば、東京都の基準で住民税額が決定され、住民税の納付は2025年6月~2026年5月頃まで、2024年の収入に対する住民税となります。
これは、産休に入った時期ではなく、前年の所得に対して課税されます。
産休・育休中は、健康保険料や厚生年金保険料が免除される制度があります。ではなぜ、住民税も同じように免除されないのでしょうか。
住民税には、産休・育休を理由とした自動的な免除制度はありません。あくまで「前年の所得に対する税金」であり、「すでに確定した税額を分割して支払っている」と解釈してください。今お金をもらっていないことと、税金が発生していることは、別だということです。
産休・育休中の税金・保険料の違いを、図表1にまとめました。
図表1
現実として収入がないなかで住民税を支払うのは、家計的に大きな負担であるという人もいるでしょう。その場合は、各市区町村の税務課で、納付期限の延長(猶予)、あるいは分割納付を相談してみましょう。事情を考慮して対応してもらえるケースもあり、延滞金がかからないよう調整できる可能性もあります。
「届いたから必ず期限内に払わなければならない」と思い悩む前に、相談することが重要です。
産休中に住民税の納付書が届くのは、制度上当然のことです。住民税は「今の収入」ではなく「過去の収入」に対する税金であり、産休・育休による自動免除はないということ、同時に支払いが難しい場合の救済制度が用意されていることを確認しましょう。
近い将来、産休・育休を取得する可能性がある場合は、早めに「翌年の住民税」を見込んでおくことが望ましいですが、いざ納付書が届いてから納付が難しいと分かったら、早めに自治体へ相談しましょう。
総務省 個人住民税
厚生労働省 育児休業中の社会保険料免除制度
国税庁 No.1400 給与所得
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者
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