侍ジャパン「守護神候補」はメジャーで敗戦処理?先発投手「偏重」がもたらす“大きな落とし穴”

松井裕樹投手公式Instagramアカウントより引用

侍ジャパン「守護神候補」はメジャーで敗戦処理?先発投手「偏重」がもたらす“大きな落とし穴”

2月4日(水) 15:50

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3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。連覇を目指す侍ジャパンは、確定していなかった最後の枠に吉田正尚(レッドソックス)を選出。これでメンバー30人が出そろった。

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今大会の侍ジャパンには過去最多となるメジャー組9人が集結した。前回大会を経験した選手も多く、連覇への期待は高まる一方だ。

メジャー組からは移籍1年目の村上宗隆と岡本和真も参戦予定で、現時点でベストに近い布陣といえるだろう。しかし、不安要素が全くないわけではない。

侍ジャパンが抱える「3つの不安要素」

1つ目は 「センターを本職とする選手が周東佑京だけ」 という外野陣だ。最後の枠に吉田が入ったことで、センターで起用されるのは周東もしくは鈴木誠也ということになりそう。

もし鈴木がセンターを守ることになれば、侍ジャパンの外野陣にはスピードと守備範囲という点で大きな疑問符がつくことになるだろう。

2つ目は 「異なるタイプの2人が選ばれたショートのポジション」 について。源田壮亮は打撃に、小園海斗は守備に不安がある。

ともに左打ちのため、相手投手の左右によって使い分けすることは考えにくいが、おそらく経験豊富な源田の先発起用が濃厚か。井端弘和監督は小園の選出理由について、ショート以外にセカンドとサードを守れることを挙げており、ユーティリティープレーヤーとしての活躍が期待される。

もし源田が遊撃手を任される場合は、源田以上に打撃に不安がある捕手とともに下位打線を担うことになるだろう。そうなれば、大谷翔平(ドジャース)ら強力な上位打線に走者なしで回る確率が高くなる。

短期決戦では下位打線の働きも重要になるだけに、やはりショートを中心としたセンターラインの打撃が大きなカギを握ることになりそうだ。

侍ジャパン“最大の不安要素”

そして3つ目、侍ジャパンにとって最大の不安要素が 「守護神の不在」 だ。

最終メンバーに松山晋也と杉山一樹という、昨季両リーグでセーブ王に輝いた2人が入らなかった。この結果、侍ジャパンは最終回を締める人材に悩まされることになるかもしれない。

選出されている投手15人のうち、昨季救援を務めたのは5人だけ。球数制限もある中で、先発投手が10人、救援投手が5人という配分はやや偏りすぎではないだろうか。

しかも救援投手5人のうち、昨季自チームで抑え役を務めていたのは、杉山とともにパ・リーグのセーブ王に輝いた平良海馬だけ。他の4人はいずれもセットアッパーもしくは中継ぎを務めており、4人合計の昨季セーブ数はわずか11個にとどまる。

実績的に平良が侍ジャパンの守護神候補の一人ではあるが、今季から先発へ再転向する予定。WBCが終われば先発投手としてマウンドに上がるため、難しい調整を強いられるかもしれない。

上原浩治氏が推す守護神候補は…

そんな侍ジャパンの守護神事情について、日米で活躍した上原浩治氏が興味深い見解を披露している。

2月1日、TBS系の「サンデーモーニング」のスポーツコーナーに生出演した上原氏は、侍ジャパンの守護神に関して、 「経験値から言って松井君(松井裕樹)が良いんじゃないか」 とメジャー3年目を迎える左腕の名前を挙げた。

さらに「真っすぐもすごく速いですし、メジャーでも通用している。そういう意味では松井君かな」と、過去2シーズンにわたってパドレスで中継ぎを務めている松井を推した。

ただ、その松井はメジャー移籍後の2年間で合計125試合に登板しているものの、挙げたセーブは1つだけ。ホールドの数も1年目が9つ、2年目は3つと、チームの勝利の方程式には入っていない。4~5点以上の大差がついた場面で起用されるケースも多く、敗戦処理扱いの登板が目立っているのが現状だ。

楽天時代に236セーブを挙げているものの、強打者がそろうアメリカやドミニカ共和国が相手だと、守護神を任せるほど“絶対的な存在”とはいえないだろう。

さらにリリーフ5人のうち左腕はその松井だけ。仮に松井が守護神を務めるとなれば、7~8回の重要な局面で左打者相手に右投手を起用せざるを得ない。

先発投手では、菊池雄星(エンゼルス)、宮城大弥、曽谷龍平(ともにオリックス)の左腕3人が選出されている。しかしWBCの大舞台で普段とは違う役割を担うのは想像以上に負担がかかるもの。日本の野球界では「先発>救援」という考えが根強いが、せめてもう1~2枚は救援投手を選ぶべきだったのではないだろうか。

期待せざるを得ない「守護神・大谷翔平」の再現

そんな状況下で期待したくなるのが、3年前の決勝の再現だ。つまり、最後を投手・大谷翔平で締めるというもの。アメリカとの決勝で当時のチームメート、マイク・トラウトを三振に仕留めたシーンは今もファンの記憶に深く刻まれている。

大谷は昨季途中から投手として復帰。ワールドシリーズでもしっかりその役割を果たした。しかし、一部報道によると、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督はWBCでの投手・大谷の起用には難色を示しているという。

果たして井端監督はどの投手を守護神に指名するのか、それとも守護神を決めずに大会に臨むのか。“守護神問題”が侍ジャパンの命運を握っている。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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