2月3日(火) 4:40
一般的に口座凍結とは、一定の条件に該当した場合に、資金の引き出し等の取引が停止されることで、以下のような状況であることが多いです。
1. 名義人が死亡した場合
2. 口座が不正取引に利用された場合
3. 債務整理の対象になる場合
なかでも、「名義人が死亡した場合」の口座凍結のタイミングは、死亡直後ではなく、通常は親族などの相続人が金融機関に連絡したときです。
さて、上記の口座凍結のタイミングの前に資金を引き出すとどうなるのでしょうか。主に次のような注意事項があります。1点目は、ほかの共同相続人とトラブルになる可能性がある点です。これは、被相続人の口座は遺産分割協議の対象となるからです。
2点目は、相続放棄ができなくなる点です。遺産から引き出したお金を使ってしまうと、相続を単純承認したことになるので、借金などのマイナスの財産も相続しなければならなくなります。また、引き出し金額に関しては、1金融機関の上限は150万円と定められています。
掲題のケースでは、100万円の引き出しなので問題ない可能性が高いです。とはいえ上記の注意点から、できるだけ相続前の「資金の引き出し」は避けるべきでしょう。
相続前の「資金の引き出し」の際に、「遺産分割前の払戻し制度」を利用するのも1つの方法です。もともと、平成28年12月19日の最高裁大法廷決定により、被相続人の預金は遺産分割が終了するまでは払戻しができないとされていました。
しかし、平成30年7月6日の「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」の成立により、令和元年7月1日から「遺産分割前の払戻し制度」が施行されました。これにより以下の2点が認められました。
(1)家庭裁判所の判断を経ないで、預貯金の払戻し
(2)預貯金債権の仮分割
つまり、制度を利用して、遺産分割前に一定の金額を上限として被相続人の口座から預貯金を引き出すことができるようになりました。以下、払戻しができる額の計算方法です。
単独で払戻しをすることができる額=(相続開始時の預貯金債権の額)×1/3×(当該払戻しを行う共同相続人の法定相続分)
以上、いつ来るか分からない家族の死に備える対策の1つとして、口座凍結のタイミング、相続前の資金の引き出しに関する注意点、遺産分割前の払戻し制度について解説しました。家族の死に際しては誰もが慌てることでしょう。口座の凍結に対する解決策はいくつかあります。
しかし、トラブルを未然に防ぐためにも、いざというときのために家族でよく話し合っておくことが大切でしょう。
e-Gov法令検索 民法第九百九条の二に規定する法務省で定める額を定める省令
法務省 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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