2月3日(火) 4:30
財布などの落とし物を警察署などに届け出ると、「拾得者」としていくつかの権利が発生します。その1つが、遺失者に対して報労金を請求できる権利です。原則として、拾った日から7日以内に、駅やデパートなど管理者のいる場所で見つけた場合は24時間以内に提出しないと、その権利はなくなります。
遺失者が判明した場合、報労金の額は落とし物の価値の5%~20%が目安で遺失者と話し合って決められます。ただし、施設内で拾ったケースでは、施設と分け合う形となるため、2.5%~10%になります。
3ヶ月以内に遺失者が見つからなければ、一定の条件のもとで所有権を取得できます。また、運搬費や保管費など、提出や管理にかかった実費を請求できる場合もあります。
落とし物のお礼は「拾った金額の1割」といわれることがありますが、過去に話題となった訴訟では、43万円が入った財布を拾ったのに落とし主から感謝の連絡がなかったことをきっかけにトラブルへ発展し、最終的に報労金7万円を支払う形で和解したケースがあります。
前記の通り、法律上は、拾得者には遺失者に対して報労金を請求できる権利があり、金額は落とし物の価値の5%~20%と定められています。例えば、現金10万円の場合、5000円~2万円が目安となります。
一方、駅やデパートなどの施設内で拾った場合は、施設と分け合うため、受け取れるのは2500円〜1万円程度です。必ず高額なお礼がもらえるわけではない点は押さえておきたいところでしょう。
落とし物を拾った人から報労金を請求された場合、落とし主(遺失者)は支払いを拒否できるのでしょうか。
過去には、拾得者への報労金の支払いを命じる判決が確定したケースもあります。2007年7月、京都地裁は、拾い主に対し約137万円の報労金を支払うよう命じました。この事案では、ため池で発見されたかばんの中から株券が見つかり、拾得者が警察に届け出ています。
落とし主は、かばんは窃盗被害に遭ったものと犯罪被害を理由に支払いを拒みましたが、裁判所は拾得者の行為が正当であると判断しました。控訴審の大阪高裁では、株券の評価額や割合を一部修正しつつも、報労金を支払う義務自体は否定されていません。
このように、条件を満たした正当な請求であれば、遺失者が一方的に拒否するのは難しいといえるでしょう。
落とし物を届けた拾得者には、条件を満たせば報労金を請求する権利があります。金額は落とし物の価値の5%~20%が目安で、施設内で拾った場合はその半分です。裁判例からも、正当な請求であれば支払い義務が否定されにくいことが分かります。
したがって掲題のケースでは、もし連絡先を伝えていれば、お礼を受け取れる可能性は十分にあったと考えられるでしょう。
警察庁 スライド『落とし物・忘れ物を拾ったら?』編警察に届け出ましょう!
e-Gov法令検索 遺失物法
京都地方裁判所第7民事部 H19.7.17京都地方裁判所平成18年(ワ)第2236号拾得物報労金請求事件
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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