年が明けてから1カ月が経過した。1月から放送が開始された冬ドラマも続々と放送されており、作品の概要や登場人物の魅力なども明確になり、「どんなラストになるのか?」と思わせるドラマが出てきている。今回は最終回まで見届けたい冬ドラマを5つ紹介したい。
考察に向き合えるドラマ
まず日曜劇場『リブート』(TBS系、日曜21時放送)。主演・鈴木亮平と脚本・黒岩勉という『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』を制作した名タッグが再び手を組んだ本作。妻・夏海(山口紗弥加)の殺人容疑をかけられた心優しいパティシエ・陸(松山ケンイチ)が、悪徳刑事・儀堂歩(鈴木亮平)に姿を変え、自身の無実を証明するために奔走するサスペンスドラマだ。
心は陸、見た目は歩、という難しい役どころを演じる鈴木の表現力の高さに驚かされる。また、マネーロンダリングなどで莫大な収益を得ているゴーシックス・コーポレーションの社長・合六亘を演じる北村有起哉も、知能系のボスキャラとして説得力を持たせており、キャスト陣の演技も見事だ。
本作は次から次へと謎が押し寄せる情報過多な部分もあり、その情報も複雑怪奇。置いてけぼりをくらいそうになるが、アニメーションを使うなど、視聴者が理解できるように配慮されている。こんがらがることなく、「犯人は誰なのか?」「この人は味方なのか?」といった考察に向き合えるドラマだ。
極上のヒューマンドラマ
次は『テミスの不確かな法廷』(NHK総合、火曜22時放送)。2024年10月期に放送され、人気を集めた『宙わたる教室』(NHK総合)の制作チームが再集結して制作された本作。直島翔の同名小説が原作で、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)を持つ特例判事補・安堂清春(松山ケンイチ)が、難解な事件に挑む異色のリーガルドラマだ。
NHK ドラマ10
『テミスの不確かな法廷』
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任官7年目の裁判官
《安堂清春》(松山ケンイチ)
一見、穏やかな裁判官に見えるが、
その内側には絶対に打ち明けられない秘密が…。
『宙わたる教室』制作スタッフが送る
法廷ヒューマンドラマが、プライムビデオに登場👨⚖️ pic.twitter.com/VBzwKFncti— Prime Video(プライムビデオ) (@PrimeVideo_JP) January 21, 2026
『宙わたる教室』同様、懸命に生きている人の描き方が秀逸だ。登場人物が抱えている葛藤、踏みにじられてきた尊厳を描き出し、この世界の不条理をありありと突きつけてくる。また、登場人物の置かれている状況の説明は決して十分ではないが、だからこそ視聴者側が登場人物の心情を察する余地を与え、そのことがより心を震わせてしまう。
自身の特性に悩みながらも、やはり悩み続ける清春はもちろん、本作の癒し担当と思わせながらも第4話では熱いロックな姿勢を見せた清春の上司・門倉茂(遠藤憲一)。さらには、小林虎之介や伊東蒼など、各話のゲストとして出演した役者が演じたキャラも愛おしい。スタッフ陣とキャスト陣の思いが噛み合っているからこそ表現できた極上のヒューマンドラマだ。
火曜ドラマの“彼女”から目が離せない
2025年10月期に放送された『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)で、主人公の1人・海老原勝男(かつお)を好演した竹内涼真。その愛すべきキャラクターから、放送終了後には“勝男ロス”に苦しんだ視聴者も多い。そんな人たちを救うかのように、すぐに竹内主演のドラマが始まった。それが『再会~Silent Truth』(テレビ朝日系、火曜21時放送)だ。
とある殺人事件をきっかけに、かつての仲良し4人組、飛奈淳一(竹内涼真)、岩本万季子(井上真央)、清原圭介(瀬戸康史)、佐久間直人(渡辺大知)の運命が大きく動き出す様子を描いたミステリードラマである。昔から好意を寄せていた万季子に未練ダラダラの淳一はいじらしく、執着してしまうのもわかるほど、万季子を演じる井上が可愛すぎる。
ただ、彼らではなく、淳一とバディを組む刑事・南良理香子(江口のりこ)に注目せざるを得ない。心の底まで見透かしたような態度。急にタップダンスを踊り出す不気味さ。登場人物だけではなく視聴者も含め、全員が理香子の手のひらで滑稽に踊らされているかのような気持ちになる。理香子というキャラを見るだけでも本作を見る価値はあるだろう。
真っすぐすぎるラブストーリー
『キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜』(テレビ東京系、月曜23時6分放送)も毎週楽しみだ。小料理店でアルバイトをしている主人公・長谷大河(赤楚衛二)と、韓国から留学している大学院生のパク・リン(カン・ヘウォン)のラブストーリーである。
1話では突然雨に降られるも大河が上着を傘代わりにして2人で走り出したり、さらに2話では回転遊具を使用してのキスシーンが飛び出したりなど、ここまで真っすぐなラブストーリーは久しぶりだ。
3話では、付き合い始めて幸せの絶頂を迎えたかに思えたが、リンが大河のメッセージの返信が少ないことにモヤモヤを募らせる。「連絡頻度を喧嘩の原因にする」というのは、昨今の恋愛ドラマでは珍しい表現ではないか。昔の恋愛ドラマのような懐かしさに加え、一周回って新鮮さも感じられるだろう。
何もしたくないけど何かしたい時にオススメ
最後は『俺たちバッドバーバーズ』(テレビ東京系、金曜深夜24時42分放送)。『ベイビーわるきゅーれ』シリーズを手掛けた阪元裕吾が監督と脚本を担当している本作。表社会では解決できない問題を解決する裏用師(リヨウシ)・月白司(草川拓弥)と、司の下で働くことになった元美容師・日暮歩(中島歩)が、さまざまな依頼人からの相談を解決していく作品だ。
『ベイビーわるきゅーれ』同様に、緩やかな日常とバチバチのアクションシーンが絡み合った内容になっている。『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(テレビ東京系)でも、キレキレの動きを見せた草川ではあるが、本作でも戦闘シーンの鋭さは抜群。呼吸を乱さずに敵を制圧する姿はカッコイイ。
また、司よりも高身長ではあるが、いつもオドオドしている歩も中毒性が高い。「顔よし」「スタイルよし」であるにもかかわらず、良い意味で情けない。ただ、そこが可愛げにつながっており、まさに中島だからこそ醸し出せる味と言える。頭を空っぽにして楽しめるドラマであり、何もしたくないけど何かしたい時にオススメしたい。
気になった作品があったらぜひチェックしてもらえればと思う。
<文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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