年末に帰省したら「実は余った仕送りを貯めていたから」と母から渡された“100万円”が入った私名義の通帳。「贈与税」が心配で断ってしまいましたが、受け取っても大丈夫でしょうか……?

年末に帰省したら「実は余った仕送りを貯めていたから」と母から渡された“100万円”が入った私名義の通帳。「贈与税」が心配で断ってしまいましたが、受け取っても大丈夫でしょうか……?

2月1日(日) 2:30

「仕送り」として、離れて住む家族に生活費を送っている家庭もあるでしょう。なかには、子が親に送っていた仕送りの一部を、母が使わずに子名義の通帳に貯めているケースもあります。 名義は子どもでも、入金や管理の状況次第では「名義預金」とみなされ、課税の対象になる可能性があります。受け取ってよいのか、贈与税がかからないのか不安な人もいるでしょう。本記事では、名義預金と判断されやすいポイントと、贈与税・相続税の扱いを解説します。

「名義預金」は課税対象とみなされる可能性が高い

名義預金とは、口座名義は本人でも、実質的には別の人が資金を出し、入出金や通帳・印鑑・キャッシュカードなどの管理を行っている預金を指します。名義だけで判断されず、誰の財産として扱うのが実態に沿うかが確認されます。
 
今回のケースでは、口座名義は子である一方、通帳を保管して入金・管理していたのは母であった可能性があります。また、貯められていたお金の原資が「子が母に送っていた仕送り」だったとしても、母が受け取った後の残額を母の判断で蓄え、子が口座の状況を把握していなかった場合は、名義と実態にずれが生じやすく注意が必要です。
 
一般に、名義預金とみなされやすい要素としては、次のような点が挙げられます。
 

・口座の開設や入金を名義人以外が行っている
・預金の原資が名義人のものとはいえない
・通帳や印鑑、キャッシュカードを名義人以外が管理している
・名義人が口座の存在や残高を把握していない
・名義人が自由に使える状態にない

 
また、母が管理を続けたまま亡くなった場合、実態として母の財産と判断されれば、相続財産として相続税の対象に含められる可能性があります。名義が子であっても、実態に応じて課税上の扱いが変わり得る点には注意が必要です。
 

そもそも「100万円」であれば贈与税の基礎控除の範囲内

今回の100万円は、状況によっては税務上「母から子への贈与」と扱われる可能性があります。贈与税には年間110万円の基礎控除がありますが、これは「1月1日から12月31日までの1年間に、その人(子)が受け取った贈与の合計額」に対して判定されます。
 
このため、同一年中に受け取った贈与財産の合計額が110万円以下であれば基礎控除内に収まるため、贈与税はかかりません。したがって、掲題の100万円以外に同じ年に受け取った他の贈与がない限りは、贈与税の負担は生じません。
 

「余った仕送り」を課税対象にしないためにできる3つの対策

仕送りが本来「生活費の援助」として必要な都度に使われている限り、贈与税の対象にならないとされる場面もあります。
 
ただし、受け取った側が使わずに貯めておき、後からまとまった金額として通帳ごと渡す形になると、「生活費の都度の援助」として説明しにくく、贈与や名義預金など別の扱いとして見られる可能性があります。返してもらう側としては、この点を踏まえて受け取り方を考える必要があります。
 
まず、仕送りを送っていた時期や金額などの事実、母が受け取った後にどの程度使い、どの程度が残ったのかが分かる資料を残しておきましょう。お金の性格を説明できる形にしておくことが大切です。
 
次に、もし「贈与」と扱われても課税対象とならないように、受け取る年の贈与額の合計が年110万円の基礎控除額を超えないかを確認しましょう。金額・時期を振り返れるよう振込やメモ、契約書などを残しておくと安心です。
 
さらに、名義預金と判断されないよう、通帳・印鑑・キャッシュカードなどの管理を名義人(子)自身が行い、いつでも自分の判断で使える状態にしておきましょう。
 

まとめ

子が親に送っていた仕送りの一部を、親が子名義の口座に貯めて通帳を渡した場合でも、入金や通帳等の管理状況によっては、名義預金などとして扱われ、課税の論点が生じる可能性があります。
 
仮に「贈与」とみなされる場合でも、贈与税は1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与の合計額で判定され、基礎控除(年110万円)の範囲内であれば贈与税はかかりません。
 
受け取る側としては、仕送りを送っていた事実や資金の経緯が分かる資料を残し、通帳・キャッシュカード等の管理を自分に移しておくなど、名義と実態が一致する形にしておくことが大切です。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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