タンス預金「1000万円」を頭金に、“夫名義のマイホーム”を購入予定。でも貯めたのが「夫婦2人」なら、妻から夫への“贈与扱い”になりますか?「おしどり贈与」で非課税になるでしょうか?

タンス預金「1000万円」を頭金に、“夫名義のマイホーム”を購入予定。でも貯めたのが「夫婦2人」なら、妻から夫への“贈与扱い”になりますか?「おしどり贈与」で非課税になるでしょうか?

2月1日(日) 5:00

夫婦で長年貯めてきたタンス預金を、住宅購入の頭金に充てるケースは少なくありません。「タンス預金」を頭金にしてマイホームの資金にする場合にも、「贈与税」がかかってくるのでしょうか。 本記事では、タンス預金を住宅購入資金として利用する際の贈与税の基本的な考え方と、一定の条件を満たすことで非課税が認められる「おしどり贈与(配偶者控除)」の仕組みについて、国税庁の情報をもとに解説します。

夫婦間のタンス預金でも、原則として「贈与税」はかかる

国税庁のWEBサイトを見ると、贈与税は、「原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて、次に掲げる財産については贈与税がかからないことになっています」となっています。贈与税がかからない財産は、次のようなものがあります。
 

1. 法人から財産を贈与により取得した財産
2. 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
3. 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う一定の者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

 
ここでいう「生活費」は、その都度、日常生活に必要な範囲で使われる費用を指します。住宅購入資金は生活費には該当しないため、非課税にはなりません。
 

高額なタンス預金は、贈与と判断されるケースも

掲題のケースでは、マイホーム資金にするタンス預金に贈与税がかかる可能性はあるのかが問題となります。たとえ夫婦で貯めたタンス預金であっても、「夫名義のマイホーム」の資金に使用した場合、妻から夫に贈与があったとみなされれば、贈与税が発生する可能性があります。
 
しかし、一定の条件はありますが、夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときに配偶者控除が受けられる特例制度があります。この特例の適用を受けるための条件は、次のようなものです。
 

1. 婚姻して20年以上
2. 過去に同じ配偶者からの贈与について配偶者控除を利用していないこと
3. 贈与を受けた翌年の3月15日までに贈与した住宅に住んでおり、今後も住む見込みがあること

 
これらの条件を満たせば贈与税の配偶者控除が利用でき、2000万円+基礎控除額110万円まで非課税になります。へそくりやタンス預金を配偶者に渡すことは課税対象になり、申告を行わずに高額な資金を移動した場合は、後に税務上の確認を受ける可能性もあります。
 

住宅購入資金ならいわゆる「おしどり贈与」を利用する方法も

前記のような配偶者控除は「おしどり贈与」と呼ばれ、長年連れ添った配偶者へ自宅や住宅購入資金を贈与する場合の、生前贈与の方法の1つです。婚姻期間などの要件を満たしていれば、配偶者控除を受けられます。
 
掲題のケースでは、タンス預金は1000万円ですから、贈与税は課されません。ただし、制度の適用を受けるには居住要件や申告手続きが必要となるため、資金を住宅購入に使用する前に要件を確認し、必要に応じて専門家へ相談するのがよいでしょう。
 

まとめ

タンス預金を住宅購入資金として使用する場合、夫婦間であっても原則として贈与税の課税対象となります。ただし、婚姻期間が20年以上であるなど一定の要件を満たせば、「おしどり贈与」と呼ばれる配偶者控除を利用することで、最大2110万円まで非課税とすることが可能です。
 
マイホーム購入は、こうした特例制度の有無を踏まえて適切な方法を選ぶことが重要です。
 

出典

国税庁 No.4405贈与税がかからない場合
国税庁 No.4452夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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