成人式に「80万円」で買った振袖…母に「既婚の30代が着るのはマナー違反」と言われましたが、一度しか着れなかったので“もったいない”と感じます。袖を切れば大丈夫でしょうか?

成人式に「80万円」で買った振袖…母に「既婚の30代が着るのはマナー違反」と言われましたが、一度しか着れなかったので“もったいない”と感じます。袖を切れば大丈夫でしょうか?

1月31日(土) 4:40

成人式のために80万円で振袖を購入したものの、その後ほとんど着る機会がないまま結婚し、30代になってしまった、という人は意外といるのではないでしょうか。振袖は未婚の人が着るイメージが強く、「もう着られないのでは?」「既婚で振袖を着るのはマナー違反?」と悩む人は少なくありません。 振袖は高額な衣装ですが、誰がどの場面で着られるのか分かりにくいものでもあります。本記事では、振袖の価格帯や着用に関する考え方、袖を切るという選択肢について解説します。

振袖の相場はいくら? 80万円は高い部類なの?

振袖の価格は、既製品であれば10万円台からある一方、作家物や伝統技法を用いたものでは100万円を超えるケースもあります。価格帯の幅が大きく、1つの基準で高い・安いを判断しにくいのが振袖の特徴です。
 
価格に影響するのは、生地の種類や染色方法、装飾の有無、仕立ての工程などです。同じ振袖であっても、どの工程に手間がかかっているかによって、価格には大きな差が生じます。このような実態を踏まえると、80万円という価格は特別に高額すぎるわけではないと言えそうです。
 

振袖は未婚女性だけのもの? 既婚で着るとマナー違反?

振袖は、和装の中では未婚女性の第一礼装と位置づけられてきた着物です。そのため、伝統的な考え方では「振袖=未婚」「黒留袖=既婚」という区分が一般的とされています。
 
この慣習を前提とすると、結婚後に結婚式の親族席など格式の高い場で振袖を着用した場合、周囲に違和感を与える可能性はあります。一方、個人的な記念撮影など私的な場面での着用について、明確に制限する決まりはありません。
 
結論として、振袖は「既婚だから一切着られない」のではなく、フォーマルな場では着用を控えるのが一般的なマナーと理解するのが現実的でしょう。
 

袖を切るのはアリ? 費用と注意点

振袖を着る機会が少ない場合、袖丈を短くして訪問着などに仕立て直す方法があります。振袖特有の長い袖を調整し、柄の出方を仕立て直すことで、装い全体の印象が落ち着きます。そうすることで、既婚後や年齢を重ねたあとでも着用しやすくなります。
 
費用の目安としては、袖丈を直すだけの簡易な仕立て直しで2万円前後とされています。ただし、柄の位置や全体のバランスによっては調整が必要となり、追加費用がかかるケースもあります。
 
振袖は柄が大きく入っていることが多く、仕立て直しを前提に作られていない場合もあります。仕立て直しが可能かどうかは、事前に着物専門店で現物を見てもらうのが確実です。
 
なお、一度袖丈を直すと元の振袖には戻せません。将来、娘やめいなどに譲る可能性があるか、成人式以外で着用する予定が残っているかを確認したうえで、慎重に判断しましょう。
 

まとめ

振袖は未婚女性の礼装として扱われてきた背景があるため、既婚後の着用については場面に応じた配慮が求められます。そのため、30代既婚で振袖を着ることがマナー違反かどうかは一律には決められず、フォーマルな場かどうかが判断の分かれ目になります。
 
場面の性質を踏まえたうえで選ぶのであれば、「もう絶対に着られないもの」と考える必要はありません。また、大切な振袖を今後も着る機会を考えるのであれば、仕立て直しを検討してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

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