1月30日(金) 21:00
老後の生活が成り立つかどうかを考えるうえで、まず把握したいのが毎月の生活費です。総務省の家計調査によると、65歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の消費支出は月約25.9万円が目安とされています。住宅ローンを完済している場合、住居費の負担が軽くなるため、生活費は比較的抑えやすいでしょう。
一方で、公的年金の受給額も重要な要素です。夫婦2人で厚生年金を受給できる場合、月20万円前後になるケースもあります。年金収入で生活費の大部分をまかなえるのであれば、貯蓄は不足分や突発的な支出への備えとして活用できます。
貯金と退職金を合わせて3000万円ある場合、老後資金としては一定の余裕があるといえます。仮に年金だけでは月3万円不足するとしても、年間36万円、30年間で約1080万円となり、貯蓄で十分に補える計算です。
ただし、この金額はあくまで平均的なケースを想定したものです。旅行や趣味にお金をかけたい場合や、インフレによる物価上昇を考慮すると、想定以上に資金が減る可能性もあります。資産をすべて預貯金で持つのではなく、リスクを抑えた運用を検討することも一案です。
老後最大の不安要素の一つが医療費や介護費用です。高額療養費制度があるとはいえ、長期的な治療や介護が必要になると自己負担は増えがちです。ある程度の現金をすぐ使える形で確保しておくことが安心につながります。
また、完全に働かない選択が必ずしも最適とは限りません。体力や気力に余裕があるうちは、短時間の仕事や在宅ワークで収入を得ることで、貯蓄を減らさずに生活できます。収入面だけでなく、社会とのつながりを保つ効果も期待できます。
さらに、老後資金を考える際には「使う順番」を意識することも重要です。退職金や預貯金を一気に取り崩すのではなく、年金を基本収入とし、不足分を必要に応じて補う形が理想といえます。
また、支出の中でも固定費は定期的に見直したいポイントです。通信費や保険料、サブスクリプションサービスなどは、老後の生活スタイルに合っていないまま払い続けているケースも少なくありません。
加えて、資金面だけでなく「どのような老後を送りたいか」を夫婦で共有しておくことも大切です。生活の満足度はお金の多寡だけで決まるものではなく、価値観のすり合わせが安心感につながります。
貯金・退職金3000万円があり、住宅ローンも完済している場合、年金収入とのバランス次第では「働かなくても生活できる可能性」は十分にあります。
ただし、老後の安心度は金額だけでなく、生活費の水準や将来の支出リスクによって大きく変わります。定期的に家計を見直し、必要に応じて柔軟に働き方や資産の使い方を調整することが、長く安心して暮らすためのポイントです。
総務省家計調査報告(家計収支編)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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