【映画コラム】原作はリチャード・バックマン(スティーブン・キング)と東野圭吾『ランニング・マン』『クスノキの番人』

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【映画コラム】原作はリチャード・バックマン(スティーブン・キング)と東野圭吾『ランニング・マン』『クスノキの番人』

1月31日(土) 8:00

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『ランニング・マン』(1月30日公開)




多くの人々が過酷な生活を強いられている近未来。職を失い、重い病を抱えた娘の医療費にも困窮していたベン(グレン・パウエル)は、優勝者に巨額の賞金が与えられるデスゲーム「ランニング・マン」への参加を決意する。

だが、ゲームの実態は、巨大ネットワーク企業が主催する世界最大のリアリティーショーであり、挑戦者の命懸けの逃走劇を全世界の観客が視聴するというものだった。

逃走範囲は無制限。高度な殺人スキルを持ったハンターたちが挑戦者を追跡し、さらには視聴者までもが懸賞金目当てで挑戦者を追いかけるという狂気のサバイバルが幕を開ける。

逃げ切れば大金を手にできるが、捕まれば即死という“命懸けの鬼ごっこ”に挑む男の運命を描いたノンストップアクション。

スティーブン・キングがリチャード・バックマン名義で1982年に発表し、アーノルド・シュワルツェネッガー主演で『バトルランナー』(87)として映画化された小説を、『ベイビー・ドライバー』(17)『ラストナイト・イン・ソーホー』(21)などのエドガー・ライト監督が新たに映画化。

ベンをゲームへと誘う冷酷なテレビプロデューサーをジョシュ・ブローリン、ショーの司会者をコールマン・ドミンゴが演じる。

キングの原作の時代設定は2025年。『バトルランナー』の頃は絵空事に思えたAIによる動画の書き換え、フェイクニュースや対立をあおるメディアの描写などが今は現実のものとなった。その意味では、時宜を得た再映画化だと言えるが、映画マニアとしても知られるライト監督らしく、80年代の雰囲気を感じさせるところもある。

決してスーパーマンではないベンと次から次へと現れるさまざまなハンターたちとの対決シーンが見どころで、パウエルも熱演を見せる。

また、近未来のテレビ業界を描いたSF的な発想として、誕生から人生の全てをテレビのリアリティーショーで生中継されていた男を描いた、ジム・キャリー主演の『トゥルーマン・ショー』(98)のおかしさと怖さを思い出した。



『クスノキの番人』(1月30日公開)







理不尽な理由で会社から解雇された直井玲斗(声:高橋文哉)は、追い詰められた末に過ちを犯し、逮捕される。失意の中、亡き母の腹違いの姉で、大企業・柳澤グループの発展に貢献してきた千舟(天海祐希)が現れ、釈放と引き換えにある命令を下す。それは「月郷神社にある、祈れば願いをかなえてくれるというクスノキの番人になること」だった。

戸惑いながらも番人となった玲斗は、千舟や、クスノキに通い続ける佐治寿明(大沢たかお)、父の行動を不審に思う女子大生の娘・優美(齋藤飛鳥)、家業を継ぐことに葛藤する大場壮貴(宮世琉弥)ら、さまざまな人々と関わる中で、クスノキが秘めた力の真実を知っていく。

ベストセラー作家・東野圭吾のファンタジー小説をアニメーション映画化。東野作品の中で初のアニメ映画化となった。「ソードアート・オンライン」シリーズの伊藤智彦が監督、脚本は「ハイキュー!!」シリーズの岸本卓。A-1 Picturesがアニメーション制作を担当。

原作者の東野が「人殺しの本ばかり書いていると、時折ふと、人を生かす話を書きたくなるのです」と語っているが、本作は超自然の存在であるクスノキを通して、主人公である玲斗の再生と成長を中心に、人々の「思い」「願い」「祈り」「念」といったものを具現化し、人が人を思う気持ちが伝わる作品になっている。

実写版を見てみたい気もしたが、意外に東野作品とアニメの相性はいいのかもしれないとも感じた。架空の月郷神社はもちろん、武蔵五日市駅周辺など街中の風景描写も秀逸だ。

(田中雄二)



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