自衛隊に対して「安定した給料をもらえる」「福利厚生が充実している」というイメージを持っている人もいるでしょう。 自衛官になるには陸上自衛隊高等工科学校や防衛大学校などを卒業する方法もありますが、一般的な高校を卒業した人でも目指すことは可能です。 本記事では「陸上自衛隊高等工科学校卒業」「防衛大学校卒業」「一般の高校卒業」の自衛官で年収に差があるのかや、年収に差が出る理由、さらに民間企業との比較についてご紹介します。
「陸上自衛隊高等工科学校卒業」「防衛大学校卒業」「一般の高校卒業」の自衛官で年収に差はある?
防衛省のサイトには、自衛官の待遇について「陸上自衛隊高等工科学校卒業」「防衛大学校卒業」「一般の高校卒業」ごとの年収などの明確な記載はありません。
しかし、採用区分ごとの俸給月額については、表1のように記載されています。賞与の支給月額は4.6ヶ月分ということなので「俸給月額×12ヶ月+賞与」を計算して年収を算出しました。
表1
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採用区分
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俸給月額
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年収
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一般幹部候補生
(大卒任官時)
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29万6100円
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491万5260円
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一般曹候補生
(高卒初任給)
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22万4600円
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372万8360円
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自衛官候補生
(高卒初任給)
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最初の3ヶ月
17万9000円
4ヶ月目以降
22万4600円
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372万8360円
※4ヶ月目以降の俸給月額で計算
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出典:自衛隊香川地方協力本部「自衛官等の給与等改正のお知らせ」を基に筆者作成
大学卒業で自衛官として働く人の年収は、高校卒業で働く人より100万円以上年収が高いことが分かります。
「陸上自衛隊高等工科学校」は生徒課程修了時に高校卒業の資格を取得できることから「高校卒業」として考えてよいでしょう。
なぜ学歴によって年収に差が出るのか?
大学卒業と高校卒業では、自衛隊の仕事に就くまでのルートに違いがあります。その点が、年収の差につながっているのかもしれません。
一般的に、高校卒業で自衛隊に入るには、自衛官候補生または一般曹候補生のどちらかとして入隊することになります。
一方、大学卒業の場合は自衛官候補生、一般曹候補生のほかに、幹部候補生を選択することが可能です。幹部候補生として入隊すると、いずれ幹部自衛官となるために一定期間の教育を受けることになります。
また、自衛官候補生や一般曹候補生になるための試験に比べて、幹部候補生になるための試験は難易度が高いことも、学歴による年収の差に関係している可能性があります。
民間企業との比較
自衛隊帯広地方協力本部によると、民間企業の初任給の全国平均は高校卒業で20万3000円、大学卒業で25万円ということです。俸給月額で比較すると、自衛官の方が民間企業よりも高い水準であることが分かります。
自衛官は国家公務員なのでリストラなどの心配がないことや、福利厚生が充実していることなども特徴です。
さらに、自衛隊帯広地方協力本部の資料によれば、駐屯地や基地などで生活していると家賃や水道光熱費・食費・仕事用衣類などの費用がかからないため、将来のための貯金を増やせる可能性もあるでしょう。
大学卒業と高校卒業では選択できる採用区分が異なり、年収は大学卒業の方が100万円以上高い場合もある
大学卒業で一般幹部候補生として入隊した場合と、高校卒業で自衛官候補生または一般曹候補生として入隊した場合では、大学卒業の方が100万円以上年収が高くなるケースもあるようです。
このような差が出るのは、自衛隊の仕事に就くまでのルートや試験の難易度などに違いがあることも関係しているでしょう。
自衛隊は民間企業と比較すると初任給の水準が高いことや福利厚生が充実していること、駐屯地などで生活することで生活費が抑えられるなどのメリットもあるため、詳しく調べてみることをおすすめします。
出典
自衛隊香川地方協力本部 自衛官等の給与等改正のお知らせ
自衛隊帯広地方協力本部 自衛官募集
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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