1月29日(木) 21:10
帯状疱疹ワクチンは65歳を過ぎたら必ず受けなければならないものではありません。ただ、国の制度としては2025年度から、65歳の人などが予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。対象は65歳のほか、経過措置として一定の年齢の節目が含まれます。
定期接種という言葉は、強制を意味しがちですが、実際は少し違います。自治体の案内では、努力義務がなく、本人が希望する場合に限って接種する、と明記されています。つまり、制度として勧められてはいるものの、最終判断は本人に委ねられます。
ここで大事なのは、案内が来た年に受けないと、次に助成を使える機会がいつになるかは自治体ごとに異なる点です。定期接種は対象年齢や実施期間が決まっているため、迷っているうちに期間が終わり、結果として全額自己負担になることもあります。
帯状疱疹ワクチンは大きく2種類あります。1回で済む生ワクチンと、2回打つ組換えワクチンです。接種回数や打ち方が違い、効果の強さや続く年数も変わります。
帯状疱疹そのものに対する予防効果は、接種後1年時点で生ワクチンが6割程度、組換えワクチンが9割以上です。5年時点では生ワクチンが4割程度、組換えワクチンが9割程度、10年時点でも組換えワクチンは7割程度とされています。
副反応は、接種部位の痛みや発赤などが一定割合で起こり得ます。まれですが重い症状が起こる可能性もゼロではないため、持病や体調面は医師と相談して決めるのが現実的です。
自己負担額は、ワクチンの種類によって変わります。例えば東京都中央区の定期接種では、自己負担額が生ワクチン4,000円、組換えワクチンは1回あたり10,000円と案内されています。組換えワクチンは2回なので、自己負担が合計2万円になります。
お住まいの自治体でも、組換えワクチンを選ぶと1回あたり1万円前後になることは十分あり得ます。
家計の観点では大きな出費になりますが、帯状疱疹が重くなると通院が増えたり、痛みで生活が回りにくくなったりして、結果的に時間とお金の負担が膨らむことがあります。特に皮膚症状が治った後も痛みが残る帯状疱疹後神経痛は、日常生活に支障が出ることがあると国も説明しています。
このため、費用だけで切るのではなく、痛みや通院の負担を減らすための支出と考える人もいます。
なお、節税で取り戻せるかという点では、予防目的の支出は医療費控除の対象になりにくいのが一般的です。国税庁も、予防や健康増進のための支出は医療費に含まれない考え方を示しています。
65歳を過ぎたら当たり前に受けるべきかということについて、制度面では定期接種になったので検討する価値は高いですが、義務ではありません。
まず自治体の案内で、対象年齢、自己負担、実施期間を確認することが大切です。特に2回接種のワクチンは、年度内に2回目まで終える必要がある自治体もあり、先延ばしがそのまま負担増につながります。
次に、どちらのワクチンを選ぶかを、効果の強さと回数、体調面で整理します。免疫の状態によって選べない種類があるため、ここは医師に確認するのが近道です。
もし今の自己負担で将来の痛みや通院の負担を減らせると考えるなら、受けておいて損はありません。費用面とともにご自身の体調や、ワクチンの副作用なども考えて、検討してみるとよいでしょう。
東京都中央区帯状疱疹(定期予防接種)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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