老後資金は3000万以上必要と言われますが子どもの教育費など生活だけで精いっぱい…。3000万以上貯められてる家庭は多いのでしょうか?

老後資金は3000万以上必要と言われますが子どもの教育費など生活だけで精いっぱい…。3000万以上貯められてる家庭は多いのでしょうか?

1月29日(木) 20:10

「老後資金は3000万円必要」といった言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「住宅ローンや教育費に追われるなかで、そのような大金を貯められる自信がない……」という方も少なくないはずです。 実際のところ、3000万円を貯めている家庭はどれほどあるのでしょうか? そして、私たちは本当にそれだけの老後資金を準備する必要があるのでしょうか? 本記事では、老後資金3000万円の根拠や実情、そして子育て中の家庭がどう向き合っていけばいいのかについて解説します。

なぜ、3000万円が老後資金の目安とされているのか

老後資金3000万円という数字は、夫婦2人が年金だけで生活するには足りず、ゆとりのある暮らしを望むならこれくらいは必要だという想定から生まれた目安です。
 
例えば、老後の生活費が月25万円かかるとすると、年金だけでは月に数万円不足するケースもあります。その赤字を30年ほど補うと考えると、単純に計算しても2000万円以上が必要になることがあります。そこに医療費や介護費、住まいの修繕費などが加われば、3000万円という金額にも現実味が出てくるのです。
 
ただし、この金額はあくまで一例であり、誰にとっても必要な金額ではありません。持ち家か賃貸か、都市部か地方か、家族構成や生活スタイルによって、必要な金額は大きく変わります。つまり、自分の老後に必要な資金を知るには、まず「自分はどんな老後を送りたいか」を具体的にイメージすることが重要です。
 

実際に3000万円以上貯めている家庭はどれくらい?

では、実際に老後に向けて3000万円以上の貯蓄がある家庭は、どれほど存在するのでしょうか?
 
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、二人以上の世帯(金融資産を保有していない世帯を含む)で金融資産を3000万円以上保有している世帯は、全体の12.7%とされています。つまり、10世帯に1世帯程度という割合です。これは決して少なくはないものの、大多数ではないことが分かります。
 
特に子育て中の世代では、住宅ローンや日々の生活費、教育費などに多くの支出が割かれ、老後のために十分な貯蓄をするのは簡単ではありません。さらに、物価の上昇や教育環境の変化なども、家計にじわじわと影響してきています。
 
しかし、30代で金融資産を3000万円以上保有している世帯は4.0%、40代で6.5%の一方で、60代は20.5%、70代では19.7%と増えており、これは退職金や長年の積み立ての成果だと考えられます。
 
つまり、若いうちに3000万円を貯めている家庭は少数派ですが、長い時間をかけて積み立てていくことで、達成できる人も多いのです。
 

教育費や生活費で精いっぱい…… それでも老後資金は準備できる?

現役世代にとって、最も大きな悩みは「日々の生活だけで精いっぱいなのに、どうやって老後の準備をするのか」という点でしょう。
 
特に子どもがいる家庭では、教育費が大きな負担になります。幼稚園から大学までの学費は、公立か私立かによって大きく異なりますが、大学まで通わせるとなると、1人あたり1000万円以上かかることも珍しくありません。
 
このようななかで、老後資金まで考えるのは難しいと感じるのも当然です。とはいえ、焦って一度に大きな金額を用意しようとする必要はありません。今できることを少しずつ積み重ねていくことが、老後への確かな備えになります。
 
例えば、月1万円でも貯金や積立投資を始めておくと、10年、20年後にはまとまった資産になります。例えば、年利3%で積立投資をした場合、10年で約140万円、20年では約370万円に増える可能性があります。できるだけ早いうちから少額でもコツコツ続けることで、将来の安心につながる大きな一歩になるでしょう。
 
また、ほかにも家計を見直して無駄な出費を減らすなど、無理のない範囲で継続的に取り組むことが、結果として大きな安心につながります。
 

自分らしい老後に向けて、今できることから始めよう

「老後資金として3000万円が必要」と言われると、不安に感じる方も多いでしょう。しかし、その数字はあくまで目安であり、すべての家庭に当てはまるわけではありません。
 
自分にとって本当に必要な金額を知るためには、年金見込み額や生活費をもとに将来の収支をシミュレーションすることが大切です。そして、今の家計と向き合い、少しずつでも“未来のためのお金”を準備していくことが、何よりの備えになります。
 
「生活だけで精いっぱい」という状況であっても、できることはあります。大きな一歩ではなく、小さな習慣を積み重ねることが大切です。そうすることで、いつか自分らしい老後につながっていくでしょう。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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