1月29日(木) 12:00
結論からいうと、大学生の娘の生活費として家賃を支払っている場合、原則として贈与税はかかりません。
税法上、親が子どもを扶養するために支出する「生活費・教育費」は、贈与税の課税対象から除外されています。大学生であれば、通常はまだ経済的に自立していないと判断され、家賃も生活費の一部と考えられます。
贈与税は「無償で財産をもらった場合」に課税されますが、すべてが対象になるわけではありません。
国税庁の考え方では、扶養義務者(親)が、通常必要と認められる生活費や教育費を、その都度支払う場合は贈与税を課さないとされています。大学生の住居費は、通学・生活に不可欠であり、社会通念上も「通常必要な生活費」に該当します。そのため、家賃12万円だからといって贈与とはなりません。
ただし、いくつか注意点があります。
1つ目は金額です。明確な上限はありませんが、明らかに高級すぎる物件(本人の生活水準を大きく超える場合)は、税務署から疑問を持たれる可能性があります。
2つ目は支払い方法です。家賃を「その都度、必要な分だけ」支払うことが重要になります。毎月支払うのではなく、数年分の家賃をまとめて娘の口座に振り込むと、「生活費のための贈与」ではなく「自由に使える財産の贈与」と判断されるリスクが高まります。
また、以下の場合は、贈与と判断される可能性があるため注意が必要です。
例えば、大学卒業後、すでに娘に十分な収入があるのに親が家賃を払い続けている、家賃とは別に多額の現金を定期的に渡している、娘名義の資産形成(貯蓄・投資)に使われているケースなどです。
ポイントは、「生活のために消費されているか」という点です。生活費としてみなされない場合、贈与と判断される可能性が高まります。
大学生の娘の家賃を親が負担すること自体は、節税というより、それ以前に自然な扶養行為とみなされ、過度に心配する必要はありません。
ただし、将来の相続や税務調査のリスクを回避したい場合は、「家賃は親から管理会社へ直接支払う」「生活費と貯蓄用資金を明確に分ける」というように、お金の使い道をはっきりさせる“足跡”を残しておくとよいでしょう。
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
デジタル庁 e-Gov 法令検索 相続税法 第二十一条の三
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者
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