1月29日(木) 2:20
年末調整は、毎月給与から天引きされた所得税(源泉徴収税額)と、その年に本来納めるべき所得税額を比べて、過不足を調整する手続きです。会社員の場合は原則として勤務先が代わりに行ってくれます。
年末調整の結果、1年間に天引きされた税金が本来の税額より多ければ、その差額が「還付金」として返ってくることがあり、逆に少なければ追加で徴収される可能性もあります。
還付金は、基本的に12月の給与や翌年1月の給与明細で反映される仕組みです。給与に加算される形で還付されるため、年末や年明けの給与明細で驚いた経験を持つ人も少なくないでしょう。
つまり、「年末調整で税金が戻ってくるかどうか」は、年間の総所得や各種控除額などによって決まるため、単純に「前年度と同じくらい戻る」と考えるのは誤解につながります。
では、なぜ期待していた還付額と実際の金額に大きな差が生じるのでしょうか。主な原因として次の3つが挙げられます。
(1)控除の申告が不十分だった
還付金は、受けられる所得控除が多いほど戻る金額が大きくなります。年末調整では、生命保険料控除や扶養控除、小規模企業共済等掛金控除などを申告することで控除額が増え、その分税額が下がります。しかし、申告漏れがあると控除額が少なくなり、結果として還付金が減るかもしれません。
(2)扶養やライフイベントの反映不足
配偶者や扶養家族の状況、結婚・出産などのライフイベントによる扶養状況の変更が年末調整に反映されていない場合もあります。特に扶養控除は税額に大きく影響するため、申告内容が最新の状況になっていないと、本来受けられる控除を逃す可能性があります。
(3)年末調整で処理されない控除を勘違い
医療費控除やふるさと納税などは年末調整では処理されない項目です。これらは別途「確定申告」(ふるさと納税は一定の要件を満たす場合ワンストップ特例制度の手続き)を行わないと反映されません。年末調整だけで還付を期待していた場合、それが実際には反映されず、期待より少ない数字となることが考えられます。
年末調整の還付額が思っていたより少なく感じる背景には、制度そのものへの理解不足や「見落とし」があるかもしれません。
例えば、前述の通り、医療費控除などの所得控除は年末調整では反映されません。年末調整では適用されない控除を受けるためには、別途確定申告などで処理する必要があります。
また、2025年(令和7年)12月以降の年末調整では、基礎控除や給与所得控除、扶養控除などの金額が見直されました。これにより、年末調整での還付額が増える人もいれば、希望通りにならない人もいるでしょう。
制度自体が変わると、前年と同じ控除が得られない場合もあり、これが期待値のズレにつながることがあります。
年末調整の還付額は「毎年同じくらい戻るもの」ではなく、その年の総所得や控除の内容、制度変更などによって大きく変わります。控除の申告漏れや扶養状況の反映不足、年末調整では処理されない控除の勘違いがあると、「思っていたより少ない」という結果になるかもしれません。
還付額に一喜一憂するのではなく、どの控除が年末調整で反映され、どれが確定申告が必要なのかを理解しておくことが、納得感のある税金対策につながるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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