1月29日(木) 2:30
北海道北見市は、ふるさと納税の寄付額95万円の返礼品として、金の含有率が99.99パーセント以上の「黄金の文鎮」(24金10グラム)を受注生産しています(2026年1月8日時点)。
北見市は玉ねぎの収穫量が日本一とされており、農林水産省の「令和6年産野菜生産出荷統計」によると、国内シェア約21パーセントが北見市となっています。そのため文鎮には特産品である玉ねぎの刻印が施されています。
国内最大手の貴金属取引業者である田中貴金属工業株式会社の金価格推移データによると、2025年1月22日時点の金の小売価格は1万5133円/グラムだったものが、2026年1月22日時点で2万6884円/グラムに高騰しています。
ただし、この価格は取引用の金地金(金の延べ棒・インゴット)に限ったものであり、上記の返礼品の紹介ページには「一品一品丁寧に手作りしておりますので、サイズ・重量・色や模様にはそれぞれ個体差がございます。」や「本品は装飾品ではなく記念品としてお取り扱いください。」との記載がされており、金地金としての売却を想定した製品ではないようです。
さらに田中貴金属工業株式会社のQ&Aでは、買い取りの対象となるブランド・重量刻印・品位刻印などが指定されており、仮に不要になったとしても買取業者が限られる可能性もあります。
ふるさと納税は自己負担額2000円を除いた寄付額の全額が所得税(復興特別所得税を含む)および個人住民税から控除される制度で、年間上限を超えた寄付額については控除の対象となりません。
控除の年間上限は年収・家族構成でおおよその基準額があり、総務省が公開している「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」によると、年収400万円の独身または共働きの世帯の年間上限は4万2000円となります。控除額の最大の年間上限は85万5000円で、年収2500万円の独身・共働き・夫婦の世帯が該当します。
この目安から推測すると、年収400万円の独身または共働きの世帯が、現時点で「黄金の文鎮」に寄付すると、91万円の自己負担額になります。
仮に「黄金の文鎮」に金地金の価値があるとした場合、上記の金価格推移データで換算すると26万8840円になるので、購入した途端に64万1160円の損失を抱えることと同義でもあり、現在の金相場からさらに6万4116円/グラムの価値の上昇がないと元本が保証されない計算になります。
「黄金の文鎮」が金地金ではない点を考慮すると、利益が出る可能性はゼロではないものの限りなく低いのではないでしょうか。
ちなみに年収2500万円の独身または共働きの世帯が同返礼品に寄付した場合、自己負担額は9万7000円と少額なので、資産として所持してもいいかもしれません。
ふるさと納税の返礼品には、価値を寄付額の3割以下に抑える「3割ルール」が存在します。そのため高額な返礼品を資産として扱うと、年収によっては元本が保証されない可能性もあります。本記事と同様の返礼品に寄付する際は、資産としてだけでなく鑑賞用の記念品という側面があることに留意しましょう。
総務省 ふるさと納税のしくみ
総務省 ふるさと納税に係る指定制度について
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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